東京オートサロン2022には、三菱ブースに「ラリーアート」と名のつくモデルが複数置かれていた。その中でも一際目立つ位置にあったのが「ヴィジョンラリーアートコンセプト」だ。謎に包まれたコンセプトカーだが、モータージャーナリストの永田恵一さんには「2代目パジェロのモデルサイクル後半に追加されたパジェロエボリューションに少し近い存在」に見えたという。ベースは三菱 アウトランダーだが、一体どういった点がそのように感じたのだろうか。
ランサーエボリューションの復活とも噂されていたヴィジョンラリーアートコンセプト
東京オートサロンに三菱自動車が出展した「ヴィジョンラリーアートコンセプト」は、2021年12月にその存在が明らかとなっていた。その際のチラ見せ写真がディフューザー形状のバンパー下部だったこともあり「ランサーエボリューションの復活か?」という期待もあった。しかし、実際にはフルモデルチェンジしたばかりの新型アウトランダーをベースにしたモデルだった。
いろいろ取材してみたものの詳細は掴めず、フロントグリル上部が塞がれていることから「プラグインハイブリッドのみとなったアウトランダーからエンジンを降ろし、代わりにバッテリーを増やしたEVか?」とも考えられるが、そういったクルマでもないようだ。
ヴィジョンラリーアートコンセプトは砂煙を巻き上げるイメージされたデカールなども用意
というわけでここからは完全な筆者の憶測となるが、ヴィジョンラリーアートコンセプトが示唆しているのは「アウトランダーの高性能版、具体的には2代目パジェロのモデルサイクル後半に追加されたパジェロエボリューションに少し近い存在」ではないだろうか。
そう考えると、少々強引ながらオーバーフェンダーやホイールの中身をよく見ると存在に気付く前後の対向ブレーキキャリパー、「砂煙を巻き上げる姿のイメージ」というボディ下部のデカールなどの合点が行く気もする。
またラリーアートブランドの復活もあり、もしアウトランダーがクロスカントリーラリーなどに参戦することがあるなら、そのベース車にはこんなアウトランダーが相応しいだろう。
ラリーアートスタイルのエアロパーツはSUVモデルに用意される
ヴィジョンラリーアートコンセプトはさておき、ラリーアートの復活は確実に動き始めている。というのも東京オートサロンに出展されたアウトランダーとエクリプスクロスのラリーアートスタイルが装着していたエアロパーツはラリーアートのもので、3月頃から市販化されるという。
ラリーアートにはモータースポーツ、市販車とパーツの開発など幅広い分野で三菱自動車の復活を後押しする存在となって欲しいところだ。
【筆者:永田 恵一】