港を眺望、開放的な佐世保競輪場へ 「ケイリンパーク」整備 基本計画まとまる

「ケイリンパーク」のイメージ。左側にミニバンクを整備する(佐世保市競輪事務所提供)

 佐世保競輪場(長崎県佐世保市干尽町)は、老朽化したメインスタンドを全面改修し、近隣に憩いの広場「ケイリンパーク」を整備する基本計画をまとめた。佐世保港の眺望を楽しめる施設をイメージし、開放的な競輪場を目指す。6月から既存スタンドにある審判棟の移設工事を始め、改修を本格化させる。
 市競輪事務所によると、新しいメインスタンドは鉄骨造り3階建て(延べ床面積3620平方メートル)。車券販売所やロイヤルルームなど競輪を楽しむ施設のほか、フードコートや売店も入る。収容人員は1200人程度。事業費は約40億円。2023年5月から既存スタンドの解体を始め、25年7月に新設スタンドの運用を始める予定。

メインスタンドのイメージ。投票所のほか、フードコートなども備える(佐世保市競輪事務所提供)

 ケイリンパークは26年1月に着工し、同3月の完成を目指す。敷地面積は約9500平方メートル。子どもたちに自転車競技を体験してもらうミニバンク(走路)を整備するほか、港湾を一望できる小高いスペースを設ける。
 競輪場は1950年に開設。一時は年間1億超の赤字が続いて経営危機に陥ったが、近年はインターネットによる車券販売などが好調で黒字を維持している。山邊忠孝所長は「改修は、市民に親しまれる競輪場をつくるためのチャレンジ。これまで競輪を支えてくれた人々の想いを大切にしながら進めたい」と話している。


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