有資格最終年で殿堂入りを果たした選手 ラリー・ウォーカーら7人

アメリカ野球殿堂入り投票では、有資格初年度で文句なしの殿堂入りを果たす選手もいれば、時間とともに徐々に得票率を上げ、当選ラインの得票率75%に到達する選手もいる。以前は殿堂入り投票の有資格期間は15年だったが、2015年度から10年に短縮。明日(日本時間1月26日)に結果が発表される2022年度の殿堂入り投票では、バリー・ボンズ、ロジャー・クレメンス、カート・シリング、サミー・ソーサが有資格最終年となる10年目を迎えているが、過去に有資格最終年で殿堂入りを果たした選手は7人いる。

その第1号はヤンキース時代に6度のワールドシリーズ制覇を経験し、メジャー22年間で通算273勝をマークしたレッド・ラフィングだ。ラフィングは1967年度の殿堂入り投票で72.6%に終わり、惜しくも当選ラインに届かなかったものの、この年は当選ラインをクリアした選手が1人もいなかった。当時のルールでは当選者がいなかった場合に決戦投票を行う仕組みとなっており、ラフィングはその結果、86.9%でジョー・メドウィック(81.0%)を破り、有資格最終年での殿堂入りを果たしたのだった。

惜しくもラフィングに敗れたメドウィックは翌1968年度に84.8%を記録。ラフィングに続いて有資格最終年での殿堂入りとなった。メジャーデビューから7年連続本塁打王に輝いたラルフ・カイナーは、故障により10年間しかプレーしなかったため、当初は苦しい戦いを強いられたものの、1975年度に前年度(58.9%)から大幅アップの75.4%を記録し、有資格最終年で殿堂に滑り込んだ(カイナーは273票、当選ラインは272票)。

レッドソックス一筋で活躍したジム・ライスは2008年度に得票率を72.2%まで上げ、有資格最終年となった2009年度に76.4%で殿堂入り。通算808盗塁のティム・レインズは2016年度の69.8%から有資格最終年の2017年度は86.0%と大幅アップで殿堂入りを果たした。

最優秀指名打者賞に名前を残すエドガー・マルティネスは2018年度に得票率70%のラインを突破(70.4%)し、有資格最終年の2019年度に85.4%で殿堂入り。そして、直近ではラリー・ウォーカーが2019年度の54.6%から有資格最終年の2020年度は76.6%と大幅アップで殿堂に迎えられた。

一方、ネリー・フォックス(1985年度に74.7%)、オーランド・セペダ(1994年度に73.5%)、ジム・バニング(1991年度に63.7%)、ギル・ホッジス(1983年度に63.4%)、ジャック・モリス(2014年度に61.5%)のように、有資格最終年に惜しくも殿堂入りを逃した選手もいる。なお、この5人はベテランズ委員会もしくは時代委員会の選考によって、後年いずれも殿堂入りを果たしている。

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