長崎バスと県営バス 共同経営計画案 2億8500万円の収益改善見込み

 長崎市内の路線バス網維持のため、共同運行やダイヤ調整などを図る「共同経営」を検討している長崎自動車(長崎バス)と県交通局(県営バス)は26日、市公共交通活性化協議会で、共同経営計画案を提示した。両者が競合する東長崎、日見、滑石の3地区で重複路線の見直しなどを実行。収益面では3地区合計で約2億8500万円の改善効果を見込んでいる。
 計画は4月1日から3年間。計画案によると、運行事業者は、スクールバスなど一部を除き、東長崎地区は県営バスに、滑石地区は長崎バスにそれぞれ一本化する。日見地区は両者で協調し運行ダイヤを設定。利用実態を踏まえ、1時間当たり「2往復4便」を基本に運行する。3地区とも減便となる見通しだが、ダイヤのばらつきを解消し、待ち時間の平準化を図る。
 共同経営を実行した場合の収支を、2020年度の利用者数を基に推計。収支は引き続き赤字となるものの、行わなかった場合に比べ損益の赤字幅は約2億8500万円縮小される。
 さらに、運行体制を効率化することで、3地区合計で、平日1日当たり運行車両数は、17台削減できる見込み。運転士も1日当たりの人員数は少なくできる見通しで、余剰人員の有効活用や労働環境改善につなげる方針という。
 協議会は行政や運行事業者などで構成。共同経営計画について、対象地区の住民代表からは「やむを得ない」との意見が上がり、了承された。長崎バスと県営バスは、2月初旬にも国に共同経営計画を申請。4月1日から、計画に基づくサービス開始を目指す。


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