韓国紙「文政権は民主化後30年で最も後進的」「法治ではない人治政権...中世国家への退行」

韓国の代表的知識人の一人とされる人物が文政権や中国政府について酷評をしている。

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朝鮮日報は先月末、ソン・ボク延世大学社会学科名誉教授の長文インタビュー記事『文政権、87年以降で最も後進的な政権…法治ではない人治』を掲載した。

ソン教授は朴正煕政権時代の経済運営を評価し、経済会議などで出された企業側の建議をどんどん解決してくれたことなどを紹介しつつ、文政権に関しては「発足後、ずっと民間企業を抑圧し、締め付け、公企業や公務員だけ増やしている。公務員の増加は国家発展の危険信号である」と述べている。

続けて、文政権を「1987年の(民主化)体制発足後30年ぶりに最も後進的な政府で、アマチュアよりも劣る。国民の要求と時代の精神と離れたまま、1980年代運動圏理念と頭の中で政策を展開している」と断じた。

文在寅大統領

左派政権の限界かと問う朝鮮日報に対しソン教授は「今政権は進歩と言うこともできない。保守と進歩の共通点は法治であるが、文在寅政権は一方的な脱原発強行で見るように、法を自分たちの好み通りに解釈して執行する」とし、「法治ではなく、人治政権だ。法、制度を無視して親疏関係と好惡感情に基づいて国政を運営するのは、敗北文化であり、中世国家への退行だ。今政権は進歩ではなく守旧左派に過ぎない」と批判した。

ソン教授は「韓国企業と経済は1~2流だが、政治はまだ4流レベル」という観点のもと、その要因として「政治や思想・意識のような非物質文化が物質文化の変動に追いつくことができず遅れている文化遅滞現象が他の国よりも韓国社会で大きく強力に働くためだと思う」と述べている。

ソン教授は「1948年の大韓民国政府樹立以前、韓国は中世社会だった」とし「その後も6.25戦争(朝鮮戦争)で国が灰の山になり、きちんとした近代と現代の《伝統》がなかった」ことを挙げ、「イギリス、フランスでもノブレス・オブリージュ(社会的責務)は300年余りをかけて誕生した。我が国でも100年はかかる」とし次世代に期待を寄せた。

ソン教授は中国について「長い中国の歴史の中で、中国は中国の民と他の国の人々が共に受容できる普遍的な価値をもたらしたことは一度もない」とし、「儒教的理想と厳格な儀礼があったとしても、現実は徹底的に暴君的、暴権的、暴圧的だった」「毛沢東と明代の朱元璋のような中国の歴史的人物は、すべて殺人の鬼才だった」と述べている。

続けて「中国の指導者は誰も普遍的価値を語らず、普遍的価値が内在化しているわけでもない。中国の経済力がいくら世界1位になっても、それは胴体だけ肥大して筋肉だけ厚くなっただけだ」と断じている。

ソン教授は韓国の知識人について、「読書と思考の深さが浅いのが残念だ」とし、「特に右派の知識人があまり本を読んでいない」ことを嘆いた。そして1866年に日本の福沢諭吉が著した『西洋事情』は20万部売れたのに対し、1895年に朝鮮の俞吉濬が著した『西遊見文』は500部しか売れなかったことを挙げ、「110年前、朝鮮の亡国はきちんとした知識人がなく、国全体の知力の戦いで日本に完敗したためだ」と述べている。

この報道をみた韓国のネットユーザーからは、

「そのとおり。今の政権は民主化でも進歩でもない…」

「…あちら側、こちら側式に考えるのは未開な種族主義だ」

「…台湾のように国家保安法を無くし共産党も合法化した国が自由の国であり、この国は自由ではない…」

「極端な思考に埋没しているのでは…」

「経済は一流、政治は四流、現在の知識人は五流だな」

などのコメントがネット掲示板に投稿されている。

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