ヤングケアラーの問題への対策 社会認知度高め教育を 長崎大教育学部准教授 小西祐馬氏

「まずは社会がヤングケアラーの問題について知ることが必要」と語る小西准教授=長崎市文教町、長崎大

 子どもの貧困など児童福祉に詳しい長崎大教育学部の小西祐馬准教授(43)にヤングケアラーの問題について必要な対策などを聞いた。

 -社会でどのような対策が必要と考えるか。
 まずは社会の認知度を高める。家族のケアをする子どもの中には「つらい」と思っている子がいて、学業や進路にまで影響するような深刻な問題だと知ることが必要。その上で教育関係者や地域が意識を高め、SOSをキャッチできるか。キャッチしたら、子どもの負担が解消されるような支援制度につないでいく。国は家事・育児支援などに取り組もうとしているが、日本では使える支援制度がまだまだ足りない。

 -どうすれば子どもが周囲に相談できるか。
 子どもにとっては家庭のことを学校の先生に話すのは恥ずかしいし、「親に悪い」という気持ちもあるかもしれない。だがケアにより時間や進路選択など自由が制限されている。英国では小学校に入る前から子どもの権利について教えている。「困っていることがあったら言っていいんだよ」というのは子どもの権利条約で「意見表明権」として規定されている。子どもへの教育は大きなポイントだ。


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