新型コロナウイルスが猛威を振るい、スポーツ界でも感染者が急増している。バスケットボール男子Bリーグは試合中止が相次ぎ、春季キャンプが迫るプロ野球も集団感染のリスクと隣り合わせだ。横浜DeNAの三浦大輔(48)、B1川崎の佐藤賢次(42)、横浜BCの青木勇人(48)の3監督はマネジメントの難しさをにじませながら、スポーツの価値や意義を語り合った。(構成・小林 剛)
◆今は練習で一体感を
─コロナ禍で食事会などが中止となっている。
佐藤 家族を招いたディナーなどはチームビルディングの一環。できないのは苦しいところ。できる限りコミュニケーションを取っているが、なかなか難しい。選手たちをご飯に連れて行くような日常が戻ってほしい。
青木 感染者が出てチームの活動が停止になった時期もあった。中2日でオンラインで顔を合わせ、何とかつながりをつくっていた。今は練習中に一体感が感じられるようなメニューを組むことにも心を砕いている。
三浦 ベイスターズは他球団に比べてチームルールを厳しくしてきた。途中にルールを緩くしようという案もあったが、選手会からこのままでいくという意見が出た。グラウンドで戦いたいと思う選手たちの意識の高さがすごく芽生えている。
◆心を動かすのが使命
─昨今のスポーツの力をどのように捉える。
青木 みんなが両手を挙げ、立ち上がる瞬間はやはり日常にはないもの。その感動、スポーツの醍醐味(だいごみ)を絶やさないようにすることが今は重要。
佐藤 人は一人では生きていけない。誰かとつながりを共有し、かけがえのないものをつくり出すことにスポーツの役割がある。ハードワークを積み重ね、皆さんの前で表現して心を動かしてもらうのが使命だと思う。
三浦 観戦に制限がある中でもファンは一緒になって応援し、パワーを与えてくれる。昨季のスローガン「横浜一心」のように、ファンもチームの一員であり、こちらにも野球ができる喜びを与えてくれている。
青木 ベイスターズはDeNAになってからファンが本当に増えた。選手とフロントに意識の変化がありましたか。
三浦 球団と選手会で月に1度、定例のセッションをやるようになり、選手会からも意見が出るようになった。アイデアや質が向上し、試合前の小学校訪問などにもつながった。コミュニケーションが増えたのが大きな要因だと思いますね。
◆定期的に意見交換を
─他競技の監督と交流する機会は珍しいと思う。今後に向けてエールを。
三浦 同じ神奈川をホームタウンとするプロチーム。定期的に意見交換して、神奈川のスポーツの発展のために尽くしていきたい。
青木 野球は横浜に根付いている。今後もスタジアムがファンと一体となる試合を繰り広げてほしい。「夏は野球、冬はバスケ」というように、神奈川にはいろんなスポーツが楽しめる、そんな文化を築いていきたい。ベイスターズには勝ってほしい。とにかくその思いが強い。男のロマンがありますから。
三浦 ありがとうございます(笑)
佐藤 奈良の大先輩のことは応援していますし、今シーズンはBリーグのチャンピオンになって、選手たちと横浜スタジアムに足を運びたい。