中学生ロボコン全国大会 長崎市立 日見中チーム「ぽてと」が初優勝

全国中学ロボコンで初優勝を果たした「ぽてと」の(左から)樽水さん、石黒さん、山口さん=長崎市界2丁目、日見中

 中学生がロボット製作や操縦の技術を競う「ロボコン」の全国大会で長崎市立日見中のチーム「ぽてと」が、早さや正確さなどを競う基礎部門で初優勝した。メンバーは操縦者で3年の樽水伶奈さん(15)と、アシスタントで2年の石黒悠真さん(14)、山口拓海さん(14)の3人。“頂点”を目指し、試行錯誤と練習を重ねた日々が実った。

☆早く正確に

 出場した第21回創造アイデアロボットコンテスト全国中学生大会は1月22日にオンラインで開かれた。初出場チームが対象の基礎部門は、地区大会を突破した21チームがトーナメント方式で戦った。ルールは90秒以内に8本の筒を所定の位置に立て、相手より早く立てるか、より多く立てた方が勝ち。
 3人は、ロボコン指導歴10年以上の山口靖彦(やすひろ)教諭(56)の呼び掛けに手を挙げ、昨年9月にチームを結成。ロボットの構造についてアイデアを出し合い、山口教諭に相談しながら試行錯誤を繰り返した。強みは一度に4本の筒をつかめるアーム。2回で筒8本を運べるようにした。筒の重さでロボットの重心が傾き転倒しないよう、重し(375グラム)を乗せるなど対策も万全に整えた。昼休みも放課後もほぼ毎日練習に費やした。

☆難敵を撃破

 昨年10月の地区大会初戦から勝ち星を挙げ続けた「ぽてと」。22日の全国大会でも順調に勝ち進んだが、予期せぬアクシデントが起きた。筒を持ち上げるモーターの一部が壊れかけ、筒が落ちてしまう。準決勝前に石黒さんと山口さんが部品を交換。チームワークで危機を乗り越えた。
 全国大会にはライバルの市立土井首中も出場したが、3回戦で惜敗。決勝は土井首中を破ったチームとの対決となった。相手は8本の筒を一気につかみ、好タイムを連発する難敵。「(土井首中の分まで)絶対に勝って、けりをつける」樽水さん)。土井首中メンバーの思いも胸に、臨んだ決勝。「ぽてと」は自己ベストに近い17秒で頂点に立った。
 激戦を振り返り、樽水さんは「努力した結果が実を結び、うれしい」と笑顔。工業系の高校への進学を希望しているといい「今までにないものを作り上げられるよう、アイデアを出して活躍できるようがんばりたい」。石黒さんは「がんばってきて良かった。後輩にロボコンのコツを教えたい」。来年度も挑戦するという山口さんは「全国に行けるように努力してがんばりたい」と語った。


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