全国中学ロボコンへ 土井首と日見チーム ライバル同士、上位目指す ・スピードにこだわり ・「キャッチャー」自信作

一度に4本の筒をつかみ、より少ない移動回数を実現したロボットで頂点を目指す日見中(写真左)、スピードを上げる改造を施したロボットで全国に挑む土井首中=長崎市

 中学生がロボット製作や操縦の技術を競う「ロボコン」の全国大会(22日・オンライン)に、長崎市立土井首、日見両校のチームが出場する。いずれも本年度始めた生徒ばかりだが、スピードを上げる改造を施したり操縦技術を磨いたりして、県代表として出場した九州大会を上位2チーム通過。ライバルでもある両チームは、互いを意識し合いながら全国上位を目指す。
 出場するのは「第21回創造アイデアロボットコンテスト全国中学生大会」の基礎部門。地区大会を突破した24チームがトーナメント方式で戦う。90秒以内に8本の筒を所定の場所に立てるルールで、相手より早く全てを立てるか、より多く立てた方が勝ち。新型コロナ禍のため、ビデオ通話で対戦チームをつないだオンライン形式で実施する。
 土井首チーム「大和魂」は1年ペアで、操縦者の勝田春輝さん(13)とメカニックの田中椋さん(13)が組む。ロボコンは初挑戦だが、小学生の頃から一緒にミニ四駆やプラモデル作りを楽しんできた友人同士。製作開始は夏休み明けと出遅れたが、得意の工作でロボの動作速度を上げるなどして、九州大会をトップ通過したダークホース的存在だ。
 勝田さんは「ロボットの移動は最短距離で、スピードにこだわる。絶対に勝ちたい」、田中さんは「機械の故障をいち早く見つけ、試合でのトラブルがないように」と意欲を燃やす。
 日見チーム「ぽてと」は操縦者で3年の樽水伶奈さん(15)を、2年の山口拓海さん(14)と石黒悠真さん(14)が支える。県大会は3位の土井首を抑えて準優勝。九州でもタイムは土井首を上回ったものの、ロボの仕組みなども加味した最終評価で2位に。全国舞台で雪辱を誓う。
 特に工夫したのは、筒をつかむ「キャッチャー」の構造。土井首が最大3本までなのに対し、日見は一度に4本をつかめるよう開発した。筒をつかむ部品は、薄いまな板をはんだごてで加熱し、折り曲げて作った自信作だ。フォークリフトのように一気に持ち上げて運び、より少ない移動回数でクリアを目指す。
 樽水さんは「もっとタイムを上げる。優勝して、後輩やみんなにロボコンに興味を持ってもらいたい」と意気込む。山口さんは「緊張しないようにがんばりたい」、石黒さんは「支えてくれた先生や親に感謝の気持ちを持って、優勝できるようチームをサポートしたい」と決意を語った。


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