「生きがいが必要」 ALS患者の泉さん講演 活水女子大看護学部生と対話

オンラインでALSの体験などを伝える泉さん(中央)

 難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者で、長崎市在住の泉清隆さん(51)が1月26日、活水女子大看護学部の授業の一環でオンラインで講演した。泉さんは、受講した学生101人にALSの体験を伝え、学生たちと対話した。
 泉さんは2002年にALSを告知され、人工呼吸器を付けているため声を失っている。妻奏子(かなこ)さんらが泉さんのまばたきを読み取って意思疎通を図り、学生たちに伝達した。
 看護師に期待することとして、泉さんは「この病気は『生きがい』がないと生きていけない。看護師としてどんな生きがいを与えられるか」と学生に聞いた。学生からは「患者の家族や患者本人との関係性を大切にしたい」「人工呼吸器で声を出せなくなるのがつらいと思うので、文字盤を使うなどコミュニケーションを取りたい」などと回答した。
 「何でもいいから褒めてほしい」と泉さん。学生たちは「生きがいの大切さを感じた」「患者と家族の懸け橋的な役割が看護師だと思う」と考えを深めた。


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