保険見直しの落とし穴!手順を間違えると後悔してもしきれない失敗に?やってはいけない契約の仕方

子どもができたり、住宅を購入したりして、大きくライフプランが変わったときなど、保険の見直しのタイミングです。定期的な見直しで、ムダなく保険料を抑えて、コストパフォーマンスのいい保険を選び直すことができます。

そこで生命保険の見直しですが、注意するポイントがいくつかあります。

ちょっと手順を間違えると、後悔をしても、しきれないほどの失敗になるかも知れません。また、言われるままに見直すと損になってしまうこともあります。

そんな保険の見直しの落とし穴について解説をしていきましょう。


保険の空白期間を作ってはいけない!

いちばん注意したい見直しのポイントは、保険の空白期間ができることです。

保険の空白期間って何か? それは現在加入している保険から次に加入する保険へと切り替える間に、保険の保障がない期間をできることです。これは、もっとも危険です。

なぜ、空白期間ができるかというと、現在入っている保険を解約してから、次の保険に申し込みと、次の保障までに空白期間ができてしまいます。これは順番が違います。

正しい順番は、次の保険を申し込みがスタートしてから、現在の保険を解約するのです。「えっ、これでは保険がダブるので、保険料が損になるのでは?」という疑問がでます。

確かに保険料が少しダブりますが、それが正しい見直しの手順です。

なぜかというと、保険は申し込んですぐに保障がスタートするわけではありません。「申込み」「告知(診査)」「第1回保険料払込み」の3つが揃って、はじめて保険がスタート(責任開始)するのです。

現在入っている保険を先に解約してしまっては、もう戻ることができません。

もし、次に入る保険の保障がスタートする前に、事故があって死亡した場合、保険に入っていない状態になり、なんの保障もありません。たった数日でも保険の「空白期間」を作ってはいけません。人生はどんなことが起こるかわからないからです。

また、新しい保険の契約を断られるってことだってあります。告知(診査)で、引っかかって保険に入れないというケースです。そんなとき前の保険を解約してしまっていたら、もう戻ることができないので、保険に入れないってことになります。

告知(診査)で引っかかった場合でも、通常より保険料が高くなったり、部位不担保という条件がついたりすることで契約できるので確認してみましょう。

このようなことがないように、新しい保険がスタートしてから、以前の保険を解約しましょう。

がん保険は3ヵ月ダブらせる

前述したのは、一般的な保険の見直しについてです。

ところが「がん保険」は、3か月間ダブらせる必要があります。「がん保険」は、申し込んでからさらに3ヵ月間の待ち期間があるのです。

というのも、「ちょっと身体の体調が悪いから、がん検診に行ってみよう。でも、その前にがん保険に入っておこう」と考えがちですよね。しかし、こんなケースが多いと給付金の支払いが増え、以前から加入している人の保険料が高くなってしまいます。そんなことにならないように、3ヵ月間の待ち期間があるのです。

がん保険は、3ヵ月間ダブらせて契約をする必要があり、その期間は保険料も二重払いになってしまいますが、致し方ありません。ちなみにこの待ち期間の保険料が必要ないというがん保険も2021年に登場しました。

以前セミナーのときに、がん保険の見直しについて質問を受けたことがあります。それは前のがん保険を解約して、新しい保険に入ったのですが、3ヵ月間の待ち期間にがんが見つかったそうです。そのため新しいがん保険からも保障はありませんでした。どうしたらいいでしょう?ということでしたが、「う〜ん、残念ですが、どうしようもないですね」としか答えられませんでした。

くれぐれも、次の保険の保障がスタートしてから、前の保険を解約しましょう。

保険営業員から、言われるままの見直しは損?

じつは見直しをすることで損をしてしまうというケースがとても多いです。

保険営業員から、保険の見直しの提案を受けて、言われたとおりに見直しをしたという人は少なからずいると思います。営業職員からの「満期が近くなったのです。見直しませんか」「よい保険がありますから、紹介します」などのセールストークには注意してください。

同じ保険会社で、いままでの保険から新しい保険に変えるのを「転換」と言います。

これは、いままでの保険を一度解約して、新しい保険に入り直すのですが、新しい保険に入ると年齢が上がるので、一般的に保険料も高くなります。そこで、いままでの保険で貯まっている解約返戻金を使って、新しい保険の定期部分を買い取るのです。ですので、新しい保険の保険料は安くなるという仕組みを勧められることが多いです。

しかし、この「転換」は、かなりの割合で損をすると言っていいでしょう。メリットというのは、ほとんどありません。どんなことが損になるのかというと、予定利率が下がってしまいます。

例えば、契約時の予定利率が3%だったとします。ところが、新しい保険の予定利率が0.5%だったら、利率の悪い保険に乗り換えることになってしまいます。また、いままで積み立てたお金の全額を、新しい保険に使ってしまいます。それは定期部分に充当するので、そのお金は戻ってきません。

このように保険営業員から、言われたままに保険を見直しは、損につながりますので注意してください。


保険の見直しの場合は、すこし損になってしまいますが、保険期間をダブらせて、保険の空白期間を作らないようにしてください。また、保険営業員に言われるままに保険に入ってしまうとムダな保障がついていたり、高い保険料を支払うことになってしまいますので、しっかりと自分で検討することがとても重要です。

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