フィッティパルディ、F1リザーブ兼テストドライバーを務めながらELMSにフル参戦へ

 WEC世界耐久選手権のLMP2クラスにも参戦しているインターユーロポル・コンペティションが、2022年シーズンのELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズを戦うドライバーラインアップを発表し、ピエトロ・フィッティパルディがそのうちのひとりに指名された。

 ハースF1チームのテスト兼リザーブドライバーを務めるフィッティパルディにとって、このプログラムはスポーツカーレースへの復帰となると同時に、プロトタイプレースで初めてのフルシーズン・キャンペーンとなる予定だ。

 彼は4月17日にフランス、ポール・リカールで開幕する全6戦のシーズンに向け、元DTMドイツ・ツーリングカー選手権ドライバーで2021年はユナイテッド・オートスポーツのLMP2カーをドライブしていたファビオ・シェラーと、シルバーランクドライバーであるデビッド・ハイネマイヤー・ハンソンとチームを組み、レースではポーランドチームのオレカ07・ギブソンのステアリングを握る。

 フィッティパルディは2021年にGドライブ・レーシングと契約を結び、同年のELMSの全ラウンドに参加する予定だった。しかし、彼が兼務していたオープンホイールの仕事がスポーツカーシリーズの日程と重なってしまったため開幕戦バルセロナのみの出場に留まり、第2戦以降はロベルト・メリが彼の後任としてアウルス01・ギブソンをドライブすることになった。

 2度のF1ワールドチャンピオンでインディ500ウイナーであるエマーソン・フィッティパルディの孫であるピエトロは、以前にもプロトタイプレースの年間キャンペーンに参加している。ドラゴンスピードの下で迎えた2018/19年WEC“スーパーシーズン”がそれだ。だが、フィッティパルディは開幕戦スパの予選でクラッシュを喫し両足を骨折。プログラムからの離脱を余儀なくされた。

 そんなフィッティパルディは「ELMSにインターユーロポル・コンペティションから参戦できることになって興奮している」と語った。

「デビッド(・ハイネマイヤー・ハンソン)とファビオ(・シェラー)と一緒に、チャンピオン獲得に向け最前線で戦うための強力なラインアップがここにある」

「また、ハースF1チームのリザーブ兼テストドライバーも続けるから忙しい1年になるだろうけど、とても楽しみにしているんだ」

■ル・マン24時間でのペア参戦を希望

 チームメイトのハイネマイヤー・ハンソンはWEC“スーパーシーズン”に出場して以来、初めてスポーツカーレースのフルシーズン・キャンペーンに取り組むことになるのと同時にLMP2クラスへの復帰を果たす予定だ。

「(LMP2レースへの復帰に)ワクワクしている」と述べた彼は、「長年、IMSAとWECのシーズンをドライブしてきたので、LMP2クラスで総合優勝を目指すシリーズに参加できることに興奮しているんだ」と続けた。

 シェラーは「このラインナップにはしっかりとしたベースがあり、表彰台を獲得するチャンスはもちろん、チャンピオンシップで非常にうまくいく可能性がある」と付け加えた。

 インターユーロポルは今年、ELMSに合計3台のプロトタイプカーを投入する予定であり、今回発表されたLMP2ラインアップの他にはLMP3クラスに2台のマシンを送り込む。

 チームマネージャーを務めるサッシャ・ファスベンダーは、「ピエトロ、デビッド、ファビオを温かく歓迎する。我々にとってELMSにLMP2カーで参戦することは理論的な次のステップだった」とコメントした。

「我々は3人の優秀なドライバーと契約しており、彼らがLMP2のフィールドで強力な役割を果たすことを楽しみにしている」

「また、私たちはル・マン24時間に(WECに参戦中の1台に加えて)2台目のマシンを参加させたいと考えている。私たちは明らかに(それが実現するようにと)幸運を祈っているんだ」

ピエトロ・フィッティパルディは2022年もハースF1のリザーブ兼テストドライバーを務める
インターユーロポル・コンペティションのWECチームでは、元F1ドライバーのエステバン・グティエレスが34号車オレカ07・ギブソンをドライブする予定だ

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