陸自水陸機動団 新連隊の竹松駐屯地配備 大村商工関係者「経済効果期待」 佐世保市長「支援」、五島市長「残念」

 陸上自衛隊で離島奪還作戦を担う専門部隊「水陸機動団」に、新たに発足する三つ目の部隊が長崎県大村市の竹松駐屯地に配備されることになった。同部隊をめぐっては県内では3市が誘致してきた。配備が決まった大村の関係者からは経済効果に期待する声がきかれた。
 「隊員による一般的な消費も伴うため、経済効果には大きく期待している」。竹松駐屯地に決定したことを聞き、大村市の誘致期成会に所属する大村商工会議所の中村人久会頭は期待を込めた。大村市は600人規模の部隊が配備された場合、家族も含め約1170人の人口増を見込み、その経済効果は年間約19億円と推計している。
 中村会頭は「大村は自衛隊に理解がある町であり、そうした良さを検討してもらった結果だろう。今後もお互いが協力し合える関係を築いていければ」と続けた。
 水陸機動団の団本部と二つの連隊は佐世保市の相浦駐屯地にある。朝長則男市長は「仮に佐世保にということであれば『歓迎します』という意味で要望活動をしてきた。最終的に(竹松駐屯地が)適地と判断されたことなので受け入れている」とコメントを発表。今後の部隊の連携も踏まえ、引き続き水陸機動団の支援をしていく考えを示した。
 五島市では毎年、無人島などで水陸機動団が訓練を実施。市は、国境離島の重要性を踏まえ島の防衛機能を強化する観点に加え、人口減少に歯止めをかける狙いからも、誘致に名乗りを上げていた。野口市太郎市長は「五島市に決まらなかったのは残念だが、同じ県内の大村市に決定したので歓迎したい」とコメントした。


© 株式会社長崎新聞社