「島唯一の医療機関」刷新 平戸・大島診療所が開所

診療所(左側)と歯科診療所(右側)の開所式=平戸市大島村

 長崎県平戸市が離島、的山大島(大島村)の神浦地区に整備した診療所と歯科診療所が1日、開所し、診療が始まった。
 同日の開所式には市幹部、市議、地元住民代表らが出席し、松田隆也副市長が「島唯一の医療機関。医療、福祉、行政が一体となって緊密に連携し、安全安心な暮らしを届けるよう努める」と祝辞。松田副市長、関野晴夫診療所長(76)らが診療所の看板の除幕を行い、開所を祝った。住民を代表し中島幸・大島地区区長会長が「診療所開設で健康と生命を守ることへの島民の不安が解消し、安心して生活できる」とあいさつした。
 大島村では1959年に診療所、87年に歯科診療所が開設された。施設の老朽化が進み、2020年12月から同地区の市大島支所隣接地に診療所、歯科診療所一体施設の整備を進めてきた。施設は2階建てで延べ床面積は約530平方メートル。1階に診療所と歯科診療所、2階には医師、歯科医師の居住スペースがある。
 10年5月に着任した関野所長は「支所、消防出張所のそばにあり、連携して診療を続けたい」と話した。
 歯科診療所は昨年末、17年間務めた歯科医師が退職。佐世保市でそれぞれ約40年間、開業していた岡真吉さん(78)、井上賢悟さん(73)を採用。非常勤で週2日ずつ診療する。岡さんは「開業医ではなくなったが、まだ体力はある」。井上さんは「施設、機材、スタッフも一新されている。しっかり務めたい」と意気込みを語った。


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