ビットコイン暴落に慌てるなかれ、値動きに振り回されない積立投資のススメ

ビットコインの価格が昨年11月の高値から暴落し、現在においても下落基調が続いています。高値掴みをしてしまった人は含み損を抱えながら「やっぱりビットコインに投資するのはリスクが大きい」などと思っているかもしれません。あるいは既に投げ売りをしてしまった人もいることでしょう。ビットコインは他のアセットと比べても値動きが激しいため、この暴落を初めて経験した時には投資経験が豊富な人でも冷静さを失ってしまうかもしれません。


短期の値動きに振り回されない投資手法は?

このようなビットコインの値動きに振り回されない投資手法としては積立投資が挙げられます。積立投資とはたとえばビットコインを毎月決まった日に、一定額ずつ購入していく投資手法です。毎月の購入額が決まっているため、直近価格に関係なく取引することができ、下落基調であっても月々の購入量が増えることで心理的な負担も軽減されます。

また、積立投資では一回あたりの購入額が少額であっても、中長期的に積立を続けることで安定した利益を得られる可能性が高まります。投資するアセットが将来的に成長していくことが前提となりますが、ビットコインの場合には暗号資産市場がまだまだ発展途上であるため、今後も市場の拡大とともに価格が伸びていくことが期待されています。

では最低でもどの程度の期間、ビットコインの積立を継続すれば良いのでしょうか。一つの目安としてビットコインの半減期スパンにあたる4年間が考えられます。半減期とはビットコインのマイニングによる新規発行量がおよそ4年に1度半減する仕組みです。これによってビットコインの市場供給量が減るために価格も上昇していくことが期待されています。

2017年12月からビットコインを100万円相当分積み立てていると?

では、実際にビットコインを2017年12月から毎月1日に2万円ずつ、4年間にわたって100万円相当を積み立てていた場合に、現在における投資の成果がどのようになっているのかをみてみましょう。

ビットコインの価格は2017年12月にバブルの絶頂期を迎えていましたが、その後は取引所のハッキング事件が相次いだことを受けて低迷期に入りました。規制環境の整備や企業の市場参入が進む中で価格が次第に回復し、2020年5月には3度目となる半減期を迎えました。半減期後には、新型コロナウイルスに伴う緩和マネーの後押しもあり、およそ4年ぶりに価格が高騰する展開となりました。

このような半減期前後の値動きを踏まえた上で図表1の積立シュミレーションをみると、バブル崩壊後の下落局面にあった2018年から2019年にかけては累計BTC評価額が購入累計額を下回ったことがありますが、直近の2022年1月1日時点では4年間の購入累計額100万円に対して累計BTC評価額が500万円超になっていることがわかります。

執筆時点ではビットコインの価格が400万円台前半にまで下落していますが、それでも資産額は4倍以上に増えています。また、4年間で約1BTCを積み立てており、仮にこのまま下落が続くとしても、1BTC=100万円を割り込まない限りは投資の利益が出ていることになります。

今回のビットコインの暴落によって含み損が出てしまっている人はさらなる下落への不安があることでしょう。しかし、価格高騰のタイミングで高値掴みをしてしまった人でも、積立を継続することで購入の平均単価が下がり、いずれは大きな利益に転じる可能性があります。

これまでビットコインは過去3度の半減期を迎えていますが、いずれも半減期後からその翌年にかけて価格が大きく上昇しました。次の半減期が予定されるのは2024年です。回を重ねるごとに上昇比率は小さくなっているとはいえ、半減期翌年の2025年には大相場が再び訪れるかもしれません。

ビットコインの他に積立投資に向いている暗号資産は?

ビットコインの他に積立投資に向いている暗号資産では、時価総額2位のイーサリアムが挙げられます。イーサリアムは、ブロックチェーンを活用した分散型アプリケーション開発のプラットフォーム(以下、Dapps)として機能し、その上で取引を処理するための通貨として使われます。

今ではイーサリアムの上に数多くのDappsが作られており、Dapps情報サイトのダップレーダー上では3000以上のDappsが掲載されています。その中でも特に注目を集めているテーマが分散型金融(以下、DeFi)とノンファンジブルトークン(以下、NFT)です。

イーサリアム上での開発や取引が盛んになれば、イーサリアムの暗号資産としての価値も必然的に高まっていきます。図表2はイーサリアムのBTC建て価格およびドミナンスの、2020年以降の推移を示したチャートになります。DeFiやNFTが流行する中でイーサリアムのビットコインに対する価格と、暗号資産市場全体に占める時価総額の割合がともに上昇しています。

今後はイーサリアムの普及とともにDeFiやNFTの他にも様々なテーマのDappsが開発されていくことが予想されます。これに伴ってイーサリアムの価格も中長期的に上昇していくことが期待できるため、定期的に積み立てることで将来的には安定した利益を得ることができるかもしれません。

国内ではコインチェックやGMOコインなど暗号資産取引所を通じて暗号資産の積立投資を行うことができます。マーケットを毎日確認することなくビットコインやイーサリアムなどに中長期的に投資をしてみたいという方はご利用を検討してみると良いでしょう。

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