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模様入りのすりガラス窓が懐かしい、昔ながらの小さな台所。昭和の雰囲気をそのまま残したようなレトロな空間に、おいしそうな香りが漂い始めるー。
コトコトと煮込んだひじきの煮物やレンコンのきんぴらなど、素朴で温かな家庭料理をテーマにしたチャンネル「ばあちゃんの料理教室」が、動画投稿サイトユーチューブなどで話題を呼んでいる。同チャンネルは昨年末、グーグルジャパンの「日本を代表する101組のクリエイター」に選出された。
動画を配信しているのは諫早市で健康食品を販売するハクライドウ(伊達雅孝代表)の経営者家族。ばあちゃんこと70代の伊達潮美さんは約3年前、原因不明の病気で倒れ、認知症のような症状が残った。家族はリハビリに良いのではと「料理」を提案。記録として撮影し、家族が付き添える時間を増やすため本業に絡めようと、自社製品の調理例などを紹介していたチャンネルで配信を始めた。
撮影編集などは息子の高広さんが担当。自分のおばあちゃんに重ねて、そっと後ろからのぞくように見てもらえればと、肩越しに撮影し、料理初心者や日本語が分からない人でも再現できるよう、手元が見やすい角度などにこだわる。
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これまでに約500本を投稿。視聴者からは「介護職として勤めている施設の高齢者にも料理を勧めたい」「おばあちゃんの手からたくさんの愛を感じる」などのコメントが寄せられた。SNSでは連日のようにライブ配信を継続。潮美さんは視聴者とやりとりできるまで回復した。コメントに応じてその場で料理にアレンジを加えるなどのライブ感も好評で、視聴者同士が仲良くなってコメント欄が盛り上がることも多く、チャンネルは新しいコミュニケーションの場にもなっている。
「日本を代表する101組のクリエイター」に選出された際は「リハビリのための料理が家族の絆を結び、皆の心の栄養になっている」と評価された。関係者の手違いで長野県在住と誤表記されるハプニングもあったが、伊達さん家族は「思ってもいなかった名誉。一つでも多く味の記録を残し、作ってみようと思う人が増えればうれしい。ばあちゃんの味を楽しめる商品開発にもつなげていければ」と話した。