韓国紙「台湾が福島産魚貝解禁、韓国も妥協案をとるべき」「TPP排除されると長期的被害に...国民説得を」

台湾政府が8日、日本の福島近隣8県の水産物輸入禁止を解く決定を発表したことを受け、韓国紙でもこれに(条件付きで)追随すべきとの見方を伝えている。

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ニューデイリー経済は9日、『韓CPTPP加入、日福島水産物がカギ? 「狂牛病事態で解決策を探すべき」』とのタイトル記事を掲載した。

同紙は「台湾政府が包括的・漸進的環太平洋経済同伴者協定(CPTPP)加入のために10年間の輸入を禁止していた日本の福島一帯食品の輸入を許可することにした」とし、「日本は台湾の前例を挙げて韓国にも輸入禁止措置を解くよう要求するものと予想される」と報じた。

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一方で同紙は、韓国当局(海洋水産部)は先月、「日本産水産物輸入規制は国民健康のための措置で韓国政府はCPTPP加入と連携し、考えていない」と既に一線を引いていることなどを紹介しつつ、これについて「歴史問題と区別しなければならない」とし、政府のスタンスに疑問を呈した。

同紙は韓国開発研究院(KDI)の報告書をもとに、「CPTPP加入は(韓国の)中国依存度を下げ、市場を多様化するのに非常に効果的な政策」「CPTPPで排除される場合、累積原産地が適用されず、韓国の中間財輸出に中長期的な被害が予想される。特に日本との貿易競争で遅れる可能性がある」などといった懸念を伝えた。

その上で同紙は、韓国産業研究院(KIET/政府出資機関)所属とされる通商専門家(匿名)の意見として、日本の水産物輸入問題について「国民世論がどのように形成されるかがカギ」とし、この問題が過去の(米国産)狂牛病(輸入問題)のときと同じような性質があることを指摘し、「(今のような)全面禁止ではなくても、狂牛病事態の際に30カ月未満の牛肉の輸入は許可したような妥協案を設けなければならない」と伝えた。

一方で、密室合意ではなく、日本の要求に「屈辱的」に従ったような誤解は招いてはいけないとし、「国民を説得できるレベルの妥協案でCPTPP加入このなぜ必要なのかを広報して共感帯を形成することが重要だ」とのコメント伝えている。

韓国政府のCPTPP加盟申請については、日韓関係の悪化などに伴い、長らくその是非が保留されていたが、中国や台湾の加盟申請を受け、一気に加盟に傾いた形だ。ホン・ナムギ経済副首相は今年4月ごろの正式申請を目標にしていると述べている。一方で、加盟との「交換条件」として日本が福島産水産物の輸入再開を求めて来るとの指摘も以前から韓国メディアではなされていたが、これについては現政権で何らかの判断がなされる可能性低く、時期的にも、次期政権の宿題となりそうだ。

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