2022年のスーパーGTスポーティングレギュレーションが微修正。“時間レース”導入か

 2月9日付けで、スーパーGTをプロモートするGTアソシエイションは、2022年のスーパーGTで採用されるスポーティングレギュレーションをメディア向けに公開した。レースを戦ううえで守らなければならないルールやレース運用などが記載されているものだが、2021年から2022年に向けては変更点がそれほど多くはないが、主要な変更点をふたつご紹介しよう。

 スポーティングレギュレーションはそれぞれレースシリーズごとに存在し、車両に適用されるテクニカルレギュレーションとともに運用される。スポーティングは、その名のとおりレースのスポーツ面での運用に関わるものだ。参加申請から予選、決勝の流れに至るまでが記載され、スーパーGTの場合これに加え、ドライバーとしてのあり方やプロモーションに関するもの、レースクイーンについての運用規定も設けられる。

 例年多くの点が変更されるものではあるが、2022年に向けてはそれほど変更点は多くはない。ただ、そのなかでも重要な変更点を紹介する。

■レース距離に“時間”の表記が加わる

 まず大きな点としては、レース距離に関する記載だ。シリーズ得点等にこれまでレース距離について記されていたが、これまですべて『レース距離』という表記だったものに加え、『レース時間』という表記が加えられた。

 これまで、スーパーGTでは250km、300km、1000km、500マイル等レースの長さは“距離”で示されていた。2022年に向け時間表記が加えられたということは、例えばスーパー耐久で言う5時間レースや24時間レースのように、“○時間レース”といった表記の時限レースが開催される可能性が考えられる。長距離レースに採用されることが多い表記だが、果たしてどこかのラウンドで採用されるだろうか。

 なおシリーズ得点については、長距離レースの場合通常よりも多いポイントが与えられることになり、2022年からは「レース距離が700km以上、もしくはレース時間が4時間以上の競技会」に多いポイントが与えられることになる。

■フルコースイエロー運用規定の内容が細かく

 2021年から本格的にスーパーGTでも運用がスタートしたフルコースイエロー(FCY)。この運用については、2021年に実際に導入されたことで得られたことも多かった様子で、スポーティングレギュレーション内でもいくつかの項目で変更されている。

 そのうち、3.にあたる「FCYが運用されている間に、不要に遅く、一定しない動きで、あるいは他のドライバーに危険を及ぼす恐れがあるような方法で運転されている一切の車両は大会審査委員会に報告される」という項目については、新たに4つの条文が加えられた。いずれも実戦で起きた、もしくは想定されたケースであることが想像できる。

1)ボード提示後サイドバイサイドの位置にある場合、FCY走行中は後方の車両は前方車両の全長分から後方にさがること
2)FCY宣言の解除(緑旗提示)前に前走車の側方全長内を走行し緑旗提示後に追い抜く為のアドバンテージを得てはならない。
3)何らかの理由により速度を保てない場合は、後続車両にウインカーで意思表示をして走路をゆずること。
4)80km/hの速度を保つ事を怠り、前走車から大きく遅れる事で他車に明らかな不利益を与えないこと。

 また、FCY宣言解除の方法、FCY中のペナルティ消化方法なども、細かく修正されている。

2021年第2戦富士の決勝では3度のFCY(フルコースイエロー)が導入された

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