長崎・男児誘拐殺害から19年を前に 地蔵堂を改修 「二度と起こらないように」

外壁などを改修した地蔵堂に手を合わせる井村さん=長崎市万才町

 2003年に長崎市で発生した男児誘拐殺害事件の後、現場近くの同市万才町に地蔵堂を設置した井村啓造さん(75)=同市立山1丁目=は12日、お堂の外壁などを12年ぶりに改修した。2年ほど前から老朽化などにより傷みが目立っていた。井村さんは「『二度と(事件が)起こらないように』と思いを深くして、お参りしてくれたら」と語り、静かに手を合わせた。
 地蔵堂は03年、「人が来ない暗い場所にしたくない」と井村さんが自作し設置した。10年にお堂を作り直し、その後の雨風の影響で壁板からくぎが抜け、ペンキがはがれていた。井村さんが「来年の(発生から)20年までお堂が保たない。今年の命日までに直そう」と改修を決め、作業は建築業の友人が協力した。
 お堂の外壁と底に、焼き杉の板を重ねて取り付け補強した。お堂の下に石を敷いて20センチほど高くし、手を合わせに来た市民らがしゃがむと地蔵と目線が合うようにした。
 井村さんは、事件から19年を迎える7月1日に地蔵堂前で僧侶にお経を上げてもらう予定にしている。

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