ジマーマンが引退表明 ナショナルズ一筋16年の現役生活にピリオド

ナショナルズの顔、いやナショナルズの象徴とも言うべきライアン・ジマーマンが現役引退を表明した。モントリオール・エクスポズが首都ワシントンに移転してナショナルズとなった初年度の2005年ドラフト1巡目(全体4位)指名で入団したジマーマンは、2020年シーズンこそ新型コロナウイルスのパンデミックのなかで出場辞退を選択したものの、昨季までナショナルズ一筋でプレー。ナショナルズが初めてドラフトで指名した男は、数々の球団記録を残してファンに別れを告げ、現役生活にピリオドを打った。

現在37歳のジマーマンはドラフト指名を受けた2005年の9月に早くもメジャーデビューしており、メジャーでプレーした16シーズンで通算1799試合に出場して1846安打、打率.277、284本塁打、1061打点、43盗塁、OPS.816を記録。シルバースラッガー賞2度、ゴールドグラブ賞1度、オールスター・ゲーム選出2度に加え、2019年にはワールドシリーズ制覇も経験した。

ジマーマンは「Dear D.C.」から始まる引退メッセージをツイッターで公開。「(私とワシントンは)ともに勝ち、ともに負け、そして、ともに成長してきた。100敗のシーズンが2度、90勝のシーズンが4度、新球場への引っ越しや4度の地区シリーズ敗退もあったが、2019年には魔法のようなワールドシリーズ制覇も経験した。あれは誰も忘れないだろう。成功も失敗も、いつもワシントンが私を支えてくれた。そのことに私は永遠に感謝するだろう」と現役生活を振り返り、現役生活をともに過ごしたワシントンの街への感謝を述べた。

ジマーマンは出場試合(1799)、安打(1846)、二塁打(417)、本塁打(284)、打点(1061)、得点(963)など多くの部門で球団記録を保持している(エクスポズ時代の選手も含む)。マーク・D・ラーナー・オーナーが「ライアンは永遠にミスター・ナショナルであり続けるだろう」と引退を祝福したように、チームの顔として、チームの象徴として、ファンに愛され、ワシントンの街に愛され、「ミスター・ナショナル」と呼ぶに相応しい選手だった。

通算11本のサヨナラ本塁打はデービッド・オルティス、トニー・ペレスと並ぶメジャー歴代8位の数字。長年にわたってチームを支え、ここぞの場面で本当に頼りになった男は、これからも地域貢献活動を通してコミュニティと深く関わっていくつもりだという。「だから、これはお別れというより『またね』という感じだよ」と引退メッセージを締めくくった。

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