21年の違法薬物押収506キロ 横浜税関、9割は覚醒剤 麻薬激減も錠剤型が急増

横浜税関が2021年に押収した違法薬物の一部=同税関

 横浜税関は16日、2021年の違法薬物の押収量が約506キロだったと発表した。過去最多だった20年の約1267キロから半減したものの、統計のある1985年以降で過去5番目に多い。覚醒剤が約454キロ(前年比約153キロ増)で全体の約9割を占め、同税関は「依然として深刻な状況」と警戒を強めている。

 違法薬物の摘発件数は、前年比37件増の480件。統計史上2番目に多い摘発となり、7年連続で300件を超えた。大半の462件は水際対策にあたる川崎外郵出張所(川崎市川崎区)が取り扱う国際郵便物からの摘発だった。

 大型密輸事件の摘発では、昨年4月に香港から横浜港に船舶で運ばれた覚醒剤約297キロを発見、差し押さえた。大型のレーザー加工機内に隠して密輸する手口で、同年に押収した覚醒剤としては全国最多となり、押収量を押し上げた。

 合成麻薬MDMAやコカインなどの麻薬が約14キロ(前年比約767キロ減)と激減した一方で、錠剤型は前年の4倍近くの約7万錠と急増した。大麻は約29キロ(同約6キロ増)、指定薬物は約9キロ(同約152キロ減)となった。

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