崎戸の伊勢エビ さばく手間なく本格的な味を食卓へ 西海大崎漁協など「料理キット」商品化

崎戸イセエビ料理キットを使い調理された(左から)イセエビのリゾット、ソテー、ディップ=西海市西海町、茶寮京翠

 長崎県西海市の西海大崎漁協(小山文雄組合長)と地域商社が特産の伊勢エビを加熱後、冷凍した「崎戸イセエビ料理キット」を商品化した。さばく手間が省ける上、フレンチシェフが手掛けたソースも付いており、地域商社は「家庭で本格的な味が楽しめる」としている。
 同漁協などは春に水揚げされる伊勢エビを「崎戸春エビ」のブランド名で売り出している。市によると五島灘の急流にもまれて身が締まり、中には1キロを超える大物も。特に「春エビ」は産卵前なので、味がよいとされる。
 市の補助事業。地域商社の西海クリエイティブカンパニーが商品化を担当。市内のシェフが監修・製造した。1キロ程度の伊勢エビをボイル。殻を外して身やエビミソを急速冷凍し、エビのだしを生かした2種のソースも添えた。
 キットの伊勢エビの重さは一般的な伊勢エビの2~3倍で2、3人分のボリューム。昨年10月にクラウドファンディングで試験販売し1万5千円で20セットを完売した。
 1月21日、市内であった試食会には漁協関係者や杉澤泰彦市長が参加。ソテーやリゾットなどを味わった。参加者からは「ロブスターよりも格段に味がいい」「数を増やすにはエビの確保が課題」などの意見が出た。
 同漁協の山下重敏参事は「刺し身やみそ汁という固定観念に捕らわれない発想。消費拡大とブランド化につながれば」と期待を込めた。3月にクラウドファンディング形式で販売する予定。価格未定。問い合わせは同商社(info@saikaicreative.co.jp)。

昨年試験販売された崎戸イセエビ料理キット(西海クリエイティブカンパニー提供)

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