九州最高齢のカバ『ドン』死ぬ 42歳、人間で約80歳 長崎バイオパーク

昨年の「敬老の日」に好物のおからで作ったケーキを来園者からもらうカバのドン=長崎バイオパーク(2021年9月)

 長崎バイオパーク(長崎県西海市西彼町)で飼育していた九州最高齢のカバ「ドン」(42歳、雄)が死んだ。人間の年齢にすると80歳ぐらい。老衰とみられる。
 14日朝、池の中で死んでいた。ドンは最近、食欲が落ちていたが、死んだ前日には同じ池に暮らす別のカバを威嚇するなど変わった様子はなかったという。
 1980年に茨城県の日立市かみね動物園で日本初の双子のカバとして生まれ、83年からバイオパークで飼育されていた。国内で初めて人工哺育され「泳げないカバ」としても有名になったモモ(27歳、雌)の父親。死産も含め4頭の子を授かり、孫は6頭。北海道と海外の動物園にひ孫がいる。
 ドンと“同期入社”という伊藤雅男園長(60)は「人間に対しては温和なカバで利口だった。モモを含め命をつないでくれ、名前の通りバイオパークの大きな柱だった」と惜しんでいた。
 バイオパークによると、ドンは国内で6番目に高齢だった。最高齢は札幌市円山動物園が飼育している52歳雄で同じ名前のドン。バイオパークのドンの兄。

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