サッカーJ2の2022年シーズンは19日に開幕し、10月23日までの約8カ月間、22チームが42試合ずつを戦う。V・ファーレン長崎は今オフの補強で戦力アップに成功。18年以来となるJ1復帰を目指す。
V長崎は20年3位、21年4位と惜しいシーズンが続いている。昨季は序盤でつまずいただけに、まずは安定した試合を見せたい。昨季途中に就任した松田浩監督の戦術を開幕前キャンプでじっくりと落とし込み、仕上がりは上々。J1柏からクリスティアーノを獲得し、自慢の破壊力がさらに増した印象だ。
「4-4-2」の基本布陣でミドルブロックを組み、サイドを起点に使う戦い方は継続。毎熊晟矢と亀川諒史が抜けたサイドバックを機能させられるかがポイントになる。
他チームに目を向けると、J1から降格してきた4チームのうち横浜FCは新戦力が充実。大分も年末の天皇杯で準優勝し、昇格争いのライバルとなる。リーグ戦で2位までに入れば自動昇格。さらにJ1参入プレーオフが3季ぶりに復活し、J2の3~6位とJ1の16位がトーナメント戦で3枠目を争う。
開幕戦は19日午後2時、ホームのトランスコスモススタジアム長崎に昨季12位の東京Vを迎えてキックオフ。「今年こそ」の思いを胸に、スタートラインに立つ。
◎10番背負う新主将 カイオセザール 「ミッション終わっていない」
2019年夏にJ1川崎から期限付きで加入し、完全移籍となった20年にブレーク。21年は多くの試合でキャプテンマークを腕に巻いた。そして22年は新主将へ。長崎の地で輝きを増し続けるカイオセザール(26)が、満を持してチームリーダーを任されることになった。
中盤での存在感はすでにリーグの規格を超えている。母国ブラジル仕込みのテクニックは折り紙付き。身長190センチの深い懐を駆使してボールを離さず、スピードに乗せたらもう手が付けられない。長い足をしならせて打つロングシュートは矢のような威力があり、守備に回れば厳しい寄せで相手の自由を奪ってしまう。まさに攻守の要だ。
今オフはJ1クラブからも熱い視線を注がれて「難しい決断だった。より高いレベルでやりたい」と去就を迷ったが、4年目を迎えるV長崎での悲願達成を優先。「まだ長崎でのミッションが終わっていない。ここで一緒に上がる責任を果たしに来た」と並々ならぬ決意を語る。
背番号は新たに10番を託された。名実ともにチームの顔。今年のV長崎は「カイオのチーム」と言えるのではないだろうか。