WRC世界ラリー選手権は2月18日、開催地未発表となっていた2022年シーズン第9戦のスロットにベルギーを追加し、イープル・ラリー・ベルギーが2年連続で開催されることを発表した。
フランダース地方北西部に位置する、イープルを中心に開催されるイベントは1965年に初開催されて以来、ヨーロッパでもっとも過酷なラリーのひとつとされているターマック(舗装路)ラリーだ。
ステージの多くは道幅の狭い農道であり、それらをつなぐジャンクションもタイト。さらにステージに沿って排水溝が設置されており小さなミスも許されない。2021年にWRCイベントして初開催されたイープル・ラリー・ベルギーでもこの特徴は受け継がれ、そのなかで地元のスタードライバーであるティエリー・ヌービル(ヒュンダイ・シェル・モビスWRT)が母国戦優勝を飾っている。
そんなイープル・ラリーが、昨年10月に発表されて以来、開催地が未定のままとなっていた2022年シーズンカレンダーの残り1枠を埋め、8月18~21日に今季第9戦として開催されることがアナウンスされた。ラリーは木曜日のシェイクダウン前に行われるスタートセレモニーで開幕し、競技は19日(金)にスタート。以降3日間、最終日の21日(日)まで続いていく。
「ベルギーは、トリッキーなスペシャルステージ(SS)とハイペースなフォーマットにより昨年、WRCにこれまでとはまったく異なるラリーをもたらした。誰もがひと息つく暇がほとんどなかったほどだ」と語るのは、WRCプロモーターのマネージングディレクターを務めるヨナ・シーベル。
「イープル地域はラリーウイークに対して熱心に取り組んでいる。ステージには大きな話題があり、ファンが美しいグローテ・マルクトのサービスパークに入れるようになれば、今度は街全体でそれが再現されると確信している」
カレンダー最後の空きスロットに入るイベントは、イープル・ラリーと実現すればWRC初開催となったチェコ共和国のバルム・チェコ・ラリー・ズリーンの2択となっていたが、最終的には前者が選ばれた。
シーベルは、「私たちはズリーンの組織チームのプロ意識と彼らの計画に非常に感銘を受けた」と語っている。
「このラリーはERCヨーロッパ・ラリー選手権の重要なイベントであり、WRC開催の野望への扉は開かれたままだ。私たちは引き続き、彼らと一緒に仕事を続けていくことを楽しみにしている」
イープル・ラリーを主催するクラブ・スーパーステージのアラン・ペナス会長は、「私たちが世界ラリー選手権をふたたびイープルで開催できることを大変うれしく思う」とコメント。
「それはクラブ全体、ボランティア、我々のパートナー、そして地元当局の皆が、初めてのWRC大会を成功させるために昨年行った努力に報いるものだ」
■WRC 2022年シーズンカレンダー(2月18日発表版)
Round Date Country Surface
Rd.1 1月20~23日 モンテカルロ ターマック
Rd.2 2月24~27日 スウェーデン スノー
Rd.3 4月21~24日 クロアチア ターマック
Rd.4 5月19~22日 ポルトガル グラベル
Rd.5 6月2~5日 イタリア グラベル
Rd.6 6月23~26日 ケニア グラベル
Rd.7 7月14~17日 エストニア グラベル
Rd.8 8月4~7日 フィンランド グラベル
Rd.9 8月18~21日 ベルギー ターマック
Rd.10 9月8~11日 ギリシャ グラベル
Rd.11 9月29日~10月2日 ニュージーランド グラベル
Rd.12 10月20~23日 スペイン ターマック
Rd.13 11月10~13日 日本 ターマック