長崎県知事選 声からし最後の訴え 3候補 17日間の舌戦に幕

最後の訴えをする(右から)中村候補、大石候補、宮沢候補=長崎市内

 長崎県知事選の選挙戦最終日を迎えた19日、時折雨脚が強まる中、現職の中村法道候補(71)、新人で医師の大石賢吾候補(39)、新人で食品輸入販売会社社長の宮沢由彦候補(54)の3人は大票田の長崎市と周辺部でアピール。街頭でマイクを使える午後8時ぎりぎりまで「最後の訴え」に声をからし、17日間にわたる舌戦に幕を下ろした。
 中村氏は朝、西彼長与町の交差点にレインコート姿で立ち、吉田愼一町長らと車に手を振った。JA長崎せいひ東長崎支店前では「100年の一度の変化をチャンスに、明るい未来を切り開いていけるかが試されている。いま一度、皆さんと働き、喜びを共にする機会を」と力を込めた。
 田上富久長崎市長と選挙カーで市内を回り、瓊の浦公園でマイク納め。新型コロナウイルス対策の公務を続けながらの「体験したことのない異例ずくめの選挙だった」と振り返り、支えてくれた関係者やスタッフに感謝を伝えた。
 大石氏は午前から、市内の複数の商店街をスタッフと練り歩く“桃太郎作戦”を展開。市民の姿を見つけるとさっと駆け寄り、笑顔で支持をお願いした。所属していた県立長崎北高ラグビー部OBも伝統の横じまジャージー姿で支援。アーケードなどでは、金子原二郎農相や推薦する日本維新の会の国会議員も演説し「世代交代」を訴えた。
 最後は江戸町公園で「多くの人たちが覚悟を決めて応援してくれて本当に感謝している」と何度も頭を下げ、マイクを置いた。「よく頑張った」とねぎらいの言葉と拍手をもらった。
 宮沢氏はJR長崎駅前などに立ち、石木ダム建設事業について「合理性がないのは明白」と批判。「水没予定地に住む13世帯の12年間にわたる抗議活動は、中村県政12年間と同じ期間」と反対住民へ思いをはせ、事業見直しで県政を前進させると訴えた。
 午後7時すぎ、鉄橋に姿を見せると、集まった支援者から拍手で迎えられグータッチ。「誰ひとり取り残さないワクワクする長崎を」と自ら歌って盛り上げた。最後は全員で、リズムに乗って脇を開いたり締めたりする恒例の「ワクワク体操」で心を通わせた。


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