サッカーJ2 V長崎、開幕戦ドロー 勝ち逃すも新戦力機能

【V長崎―東京V】前半25分、V長崎のカイオセザール(右端)が先制ゴールを決める=諫早市、トランスコスモススタジアム長崎

 明治安田J2第1節第1日(19日・トランスコスモススタジアム長崎ほか=6試合)V・ファーレン長崎は昨季12位の東京Vと1-1で引き分け、4季連続の開幕戦白星はならなかった。
 V長崎は前半25分、新加入のクリスティアーノの右CKからゴール前で混戦となり、カイオセザールが押し込んで先制。37分に左CKからの折り返しを決められて同点に追いつかれた。
 後半も一進一退の攻防が続いた。東京Vにボールを保持されて押し込まれる時間帯をしのぐと、終了間際は途中出場のエジガルジュニオらを軸に猛攻。何度もゴールを脅かしたが、勝ち越し点は生まれなかった。
 1年でのJ1復帰を目指す横浜FCは大宮に3-2で競り勝った。徳島は金沢と0-0で引き分けた。複数の新型コロナウイルス感染者が出た大分と水戸の試合は中止。今季は上位2チームがJ1に昇格し、3~6位のチームはJ1参入プレーオフに回る。
 第1節最終日は20日、各地で4試合を実施。第2節は26、27日、各地で計11試合が行われ、V長崎は27日午後2時から横浜市のニッパツ三ツ沢球技場で横浜FCと対戦する。

◎多くの「トライ」詰まった初戦

【V長崎―東京V】後半31分、V長崎のクリスティアーノ(左)が相手と競り合いながらゴールに迫る=諫早市、トランスコスモススタジアム長崎

 多くの「トライ」が詰まった初戦だった。
 新加入5人を先発に並べ、特に両サイドはDFとMFの4人全員が新顔。右の高橋、クリスティアーノとつないでスムーズにボールを運び、左では奥田が積極性、奥井が巧みな球さばきを披露。新たなV長崎を印象づけた。
 残り時間約20分のタイミングで2枚替えした際は、布陣を大胆に組み替えてクリスティアーノとエジガルジュニオを最前線に配置。得点は生まれなくとも厚みのある攻撃を何度も仕掛けて、リーグ屈指の破壊力を証明した。
 さらに後半29分。二見の左サイドバック投入に伴い1列上がった加藤聖は、グラウンダーのクロスとライン際の突破で見せ場をつくった。二見のサイドバック起用も加藤聖のMF起用も、V長崎に加入して以来初めての試み。新たなオプションが複数機能し、交代カードを切るたびに相手ゴールへの圧力を強めていった。
 開幕白星こそ逃したが収穫は多く、新主将カイオセザールは「これからもっと良くなる」と太鼓判を押す。次節からは横浜FC、甲府、大分と前評判が高いチームとの試合が続く。難敵を連破し、初戦で得た自信を確信に変えたい。


© 株式会社長崎新聞社