長崎県 新知事に大石氏 全国最年少39歳 12年ぶり交代 投票率47.83%

初当選を果たし万歳する大石賢吾氏(左)=20日午後11時40分、長崎市茂里町、県医師会館

 任期満了に伴う長崎県知事選は20日投票が行われ、即日開票の結果、無所属新人の医師、大石賢吾氏(39)=自民県連、維新推薦=が、いずれも無所属で、現職の中村法道氏(71)=3期目=と新人の食品輸入販売会社社長、宮沢由彦氏(54)を破り、初当選を果たした。戦後の公選制導入以降の歴代県知事の中で大石氏は最年少。現在の47都道府県の中でも最も若い知事となる。県のトップが12年ぶりに交代する。
 新型コロナウイルスのまん延防止等重点措置適用下の選挙戦となったが、投票率は47.83%と、過去最低だった前回36.03%を11.8ポイント上回った。
 自民党は県連の大石氏推薦に反発する党員が中村氏の支援に回り、保守分裂選挙となっていた。
 大石氏は昨年12月下旬に出馬を表明し、若さを武器に「世代交代」を強調。県のコロナ対策を批判しながら、県民との対話や子育て支援の充実などを訴えた。医療系団体が中核となって支援し、知名度不足を補うため会員制交流サイト(SNS)を積極的に活用。母校の県立長崎北高同窓会の有志や、所属していた同校ラグビー部OBらも草の根レベルで支援の輪を広げ、都市部や出身地の五島で着実に票を伸ばした。
 中村氏は当初、公務のコロナ対策に専念するため街頭活動を控えたが、県農政連盟、連合長崎など2千超の団体の推薦を得て組織戦を展開。立憲民主、国民民主両党県連などの支援も受けた。後半は選挙カーで県内を回り、企業誘致に伴う雇用創出や高校生の県内就職率改善などの実績や経験を強調し4選を目指したが、届かなかった。
 宮沢氏は石木ダム建設事業の見直しなどを公約に掲げ、共産党が自主的に支援したが、浸透しなかった。
 県選管によると、当日有権者数は110万6346人(男51万3201、女59万3145)。

◎開票結果 =選管最終=

 当 239,415 大石賢吾(おおいし・けんご) 39 無所属・新
   238,874 中村法道(なかむら・ほうどう)71 無所属・現
    46,794 宮沢由彦(みやざわ・よしひこ)54 無所属・新


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