パンに塗るドリュールは代用できるの?ツヤ出しに適した材料を比較してみた

パンに塗るドリュールは代用できるの?ツヤ出しに適した材料を比較してみた

パンのツヤ出し、なにを使ってますか?

ツヤツヤで香ばしい色に焼き上がったパンは、とてもおいしそうに見えますよね。 今回のコラムのテーマは、ツヤのあるパンに仕上げる必須アイテム「ドリュール(塗り卵)」。全卵・卵黄・卵白で違いはあるのか?代用できる食材はあるのか?比較検証してみました。 照りを出すためのひと手間の作業で、パンはより美しくおいしそうに仕上がります。

ドリュールとはどんなもの?何のために塗るの?

ドリュールとは、パンの表面に塗る溶き卵のこと。 フランス語で「ドリュール」「ドリール」と呼びます。

焼成前のパン生地の表面にハケで薄く塗ることで、焼き上がったパンにツヤと美しい焼き色を与えてくれるドリュール。左の塗っていないものと比べると、違いは一目瞭然ですね♪

最もツヤがでるのはどれ?8つの食材で検証してみた

ツヤ出しに欠かせない材料「卵」ですが、

  • 使いたいときに卵がない
  • 卵黄だけ、卵白だけ余っている
  • 卵を無駄に消費したくない

というときがありませんか? 今回は卵以外に代用できるものはないかという検証も含め、下記の8つで比較してみました。 1.全卵 2.卵黄 3.卵黄+牛乳 4.卵白 5.牛乳 6.サラダオイル 7.豆乳 8.バター(焼成後に塗る)

焼き上がりを見てみると、それぞれ違いがあるのがわかりますね。 *全てのパンは、同じ条件(生地・焼成時間・焼成温度)で仕上げています。

ドリュールなしのパンを左に並べて、ひとつずつ詳しく見ていきましょう♪

1.全卵

しっかり溶きほぐした全卵を、茶こしでこして塗っています。

表面に光沢があるのとないのでは、見た目が全然違いますね。 全卵を塗るとツヤと焼き色がきれいに出て、香ばしさまで伝わってきます。とてもおいしそうな仕上がりです。

2.卵黄

焼き色とツヤがとても強く出ます。 これは、卵黄に含まれているカロテンと呼ばれる色素の効果。カロテンを塗ることで、焼き色が黄金色になるんですね。 ただ、トロッとしている卵黄は塗りムラができないように均一に塗るのが難しい。焼き色も少し強めになり、焼き過ぎてしまった印象を与えてしまう場合も。 全卵のような上品なツヤを出したいときは、次の3の方法がおすすめです。

3.卵黄+牛乳

卵黄と牛乳を同量(1:1)混ぜ合わせたものを塗りました。

牛乳と混ぜたことでなめらかになり、塗りやすさがアップ。 焼き上がりも、1の全卵と違いがわからないほどのツヤと焼き色に。 卵黄を使用するときは、牛乳で濃度を薄めたものを使うとツヤ出しに効果的です。

4.卵白

粘度のある卵白は、泡立たないようにコシを切ったものを塗りました。

上の3つに比べると焼き色は優しく、きれいなツヤのみがある仕上がりに。 卵白に含まれているタンパク質が加熱されることによって薄い膜状になり、照りとなってツヤを出してくれているのです。 じゅうぶんなツヤ出し効果を発揮しているので、卵白が余っているときは全卵の代用品として使うことができますね!

5.牛乳

牛乳に浸したハケで、サッと薄く塗りました。

卵には劣りますが、塗らないものに比べるとほんのり優しいツヤが出ます。 二度塗りするとさらにツヤ効果が出るかも!と試してみましたが、変化は見られませんでした。 家にあることが多い牛乳は、ちょっとツヤが欲しいというときに使える材料ですね。

6.サラダオイル

ハケに少量のオイルを付けて、薄く塗りました。

ツヤ出しの効果はなく、素朴な焼き上がり。ドリュールなしのものと同じような仕上がりになりました。 オリーブオイル・米油・菜種油でも同じ結果に。オイルなどの油脂系は、8の方法で使うと良い効果が出ます。

7.調整豆乳

牛乳と同様、豆乳に浸したハケで薄く塗りました。

牛乳と似たようなほんのり優しいツヤに仕上がります。 ドリュールなしのものと比べるとツヤ効果が見られたので、牛乳同様、卵がないときの代用として有効です。

8.バター

バターを使う場合は、焼成後に。パンをオーブンから取り出し、すぐに塗りました。

オリーブオイル・ショートニングなどの他の油脂でも可能ですが、バターを塗るとツヤッツヤに!バターは香りもプラスされ、とても良い風味になります。 塗りたてはピカピカですが、時間が経つと少し落ち着いたツヤ感に。塗りすぎるとベタベタするので、サッと薄く塗るのがポイントです。 万が一、ドリュールを塗り忘れてしまった場合でも、焼成後の作業で美しく仕上げることができますね。

まとめ

ドリュールの役割は、パンの表面にツヤと焼き色を与え、おいしそうに見せること。 1.2.3.4.のように卵を使うと美しいツヤと焼き色が得られるので、やはりドリュールに一番適している材料といえます。 ただ、卵がない場合でも、用意しやすい牛乳や豆乳を薄く塗ることで優しいツヤに仕上げられます。 そしてバターなどの油脂でツヤを出す場合は、ぜひ後塗りで! おうちパンは、そろえやすい材料で作れるところが良いところ♪今回の方法を参考に、美しい見た目のおいしいパンに仕上げてくださいね。

材料・道具を探す

© 株式会社TUKURU