新市庁舎候補地は「市民プール」 大村市検討委が答申

大村市新市庁舎の建設候補地

 長崎県大村市新庁舎建設候補地検討委員会(宮原和明委員長ら11人)は21日、再検討が進められている新市庁舎の建設候補地を、森園町の市民プールとする答申をまとめ、園田裕史市長に提出した。今後、市内部で方向性を協議し、新年度には市民説明会やアンケートを実施する方針。
 新市庁舎建設を巡り市は当初、現庁舎裏の大村ボート第5駐車場での整備を検討。だが予定地に断層が見つかり、2020年1月に建設地を見直す考えを示していた。市は人口の集中度合いや現状などから候補地を7カ所とし、学識経験者や市民団体の代表らでつくる検討委が昨年7月から検討を進めていた。
 市新庁舎整備室によると、検討委では立地状況の優位性や課題、概算事業費、地質調査の四つの指標から「市民プール」と「森園公園」に候補地を絞り込み、比較検証。立地状況や地質調査では市民プールの方が評価は高かったが、本庁舎と代替施設を整備した場合の概算事業費は市民プールが約121億円、森園公園が約102億円で市民プールが高額となった。
 ただ、市民プールの屋外施設は老朽化が進行し、幸町にある屋内プールも25年度に建て替えが予定されていることから、「今後計画にない公園施設を整備する森園公園の方が整備の検討時期にある市民プールより評価が高いとは言えない」とした。答申には今後のプール施設のあり方を整理し、適切な時期、場所に整備するよう求める付帯意見も添えた。
 現計画で新市庁舎は25年度着工、27年度供用開始を目指している。園田市長は「答申を真摯(しんし)に受け止めるとともに、議会の意見も聞きながら3月末には市の方針を最終決定したい」と述べた。


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