「長崎を背負い頑張る」 知事選から一夜明け、大石氏が喜びと抱負

当選を伝える新聞に目を通す大石氏=21日午前8時24分、長崎市江戸町の事務所

 知事選に初当選した大石賢吾氏(39)は一夜明けた21日、長崎市内の事務所で記者会見に応じ、「長崎県を背負い頑張る。皆さんと連携し、まずは課題の一つ一つを丁寧に迅速に対応していく体制づくりからやっていきたい」と抱負を語った。
 20日深夜に当選を決めた後、支援者への報告のため長崎-佐世保を往復。2時間程度の睡眠でも疲れた表情を見せず、「全国最年少知事誕生」を報じる新聞を手に「23万9415票、本当に大きな数字ですね」と感想。会員制交流サイト(SNS)を通じ祝福メッセージが殺到し「あらためて喜びをかみしめている」と笑顔を浮かべた。
 勝因について「訴えてきたことを伝え切った」とする半面、4選を目指した現職との得票差がわずか541票だったことから「現職の実績も評価されているということ。引き継ぐべきところはしっかり引き継ぎ、新たな視点で対応していく」とした。
 県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業については「まず対話。できるだけ早期に(現場に)足を運びたい」と重ねて強調。反対住民側は対話の条件として話し合い期間中の工事中断を求めているが、大石氏は「それは交渉になってしまう。まずは無条件で話し、関係構築した上で協議したい」と述べた。
 会見後は街頭に立って手を振り、市民に感謝。長崎市内であいさつ回りをした。24日に当選証書を受け取り、3月2日に初登庁する。

◎一問一答/新型コロナ対策 医療の状況踏まえ社会機能維持
 大石氏の記者会見での主なやりとりは次の通り。

 -現職知事で全国最年少になる。
 別に気にすることなく、全力でやっていく。他の都道府県に負けないように頑張りたい。
 -九州新幹線長崎ルート全線フル規格化について。
 佐賀県に対してどういった働き掛けができるのか。まずはコミュニケーションを取れる関係づくりが必要。できるだけ早く足を運びたい。
 -カジノを含む統合型リゾート施設(IR)について。
 (4月下旬までに)整備計画を出す必要がある。内容を把握した上で実現できるよう、しっかり取り組んでいく。
 -新型コロナウイルス対策は。
 経済活動を回すと話しているが、なんでもかんでもやっていいわけではない。保健所や医療機関の状況を踏まえ、社会機能を維持できるような政策を示したい。
 -保守分裂選挙になった。政党との関係は。
 無所属で立候補した。推薦していただいた自民党県連内にいろんな意見があったことは承知している。現職を支援した方々も含め、是々非々でしっかり連携を取っていく。与野党関係なく、県政に資するものは一緒に協力してやっていく。
 -女性副知事登用を公約にした。意中の人は。
 まだいない。県政に資する優秀な方に務めていただきたい。
 -就任後も会員制交流サイト(SNS)を活用するか。
 公務に支障がない程度にできる限り自身でやっていきたい。


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