6度の「波」襲来 収束いまだ見通せず 新型コロナ、栃木県内初確認から2年

県内の新型コロナウイルス感染者数の推移

 新型コロナウイルスの感染者が県内で初めて確認されてから、22日で2年がたった。累計感染者は4万1443人、死者は167人に上る。感染力の強い変異株が相次いで出現し、この1年間で感染が急拡大。現在もオミクロン株が猛威を振るい、第6波の収束の見通しは立っていない。

 県内で感染が初確認されたのは2020年2月22日、集団感染が起きたクルーズ船の乗客だった。以降、海外渡航や東京圏との往来がある人などから感染者が増えていき、6月下旬には第2波が襲った。11月下旬からの第3波では急拡大し、約3200人の感染者が出た。

 21年5月の第4波は英国由来のアルファ株がまん延。他県に比べ、新規感染者数はある程度抑えられたが、病床使用率が高まり、県はワクチン接種の促進と並行して病床の一層の拡充を迫られた。

 7月下旬にはインド由来のデルタ株により第5波が到来し、9月末までに約8200人が感染した。病床使用率は過去最大の62.9%に上昇。自宅療養者は1500人近くまで増え、容体が急変した患者が自宅で死亡する事例もあった。

 県は宿泊療養施設を計9カ所に増やし、最大100床の臨時医療施設を設けたが、昨年末から広がったオミクロン株によって、想定を上回る感染爆発となった。今月15日には新規感染者が過去最多の1107人に上り、自宅療養者は一時7千人を上回った。高齢者施設や学校などでクラスター(感染者集団)が多発していることが要因の一つだ。

 死者の約3割が第6波に集中し、高齢の感染者が持病の悪化で亡くなるケースもみられる。県はワクチンの3回目接種の加速化を進めるが、21日時点の接種率は15.97%にとどまる。

 1年目の感染者は4036人、死者は65人だったのに対し、2年目は3万6598人と9倍に膨らみ、死者も100人と1.5倍増えている。

 この2年で、本県には緊急事態宣言が3度発令された。現在、適用中のまん延防止等重点措置は2度目で、飲食店に営業時間短縮要請が出されている。

 福田知事は18日の記者会見で、2年間のコロナ対策について「でき得る限りの取り組みを行ったが歯が立たない部分があった。体制を見直しながら次に備えたい」と述べた。

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