2月中旬に感染1日1000人か 病床使用5割超で緊急事態の要請検討 栃木県

県内の新規感染者数及び病床使用率の推移と今後の予測

 新型コロナウイルスの感染急拡大に歯止めがかからない中、栃木県の福田富一(ふくだとみかず)知事は1日の定例記者会見で、今後の感染状況の予測を公表した。現状の増加ペースで推移した場合、今月中旬に1日当たりの新規感染者数が千人、病床使用率が50%をそれぞれ超えるとした。同日の感染者数は810人と過去最多を更新しており、福田知事は病床使用率が50%を超えた場合、緊急事態宣言の要請を検討する考えを明らかにした。

 新規感染者数は1月29日まで5日連続で過去最多を更新し、第6波の感染速度が緩む気配はない。療養先調整中を含む自宅療養者数は5千人を超えた。

 感染者の急増に伴い、重症化リスクのある60代以上の感染者も増加。1月10~16日の146人から、2週間後の24~30日は3倍以上の485人となった。酸素投与が必要な中等症者数も31日時点で27人に増えた。

 同日現在の病床使用率は36.8%、重症病床使用率は2.2%だが、現在の感染急拡大が続けば重症病床使用率が高まり、一般医療を圧迫し医療崩壊につながる恐れもある。福田知事は「県民、事業者には基本的な対策のさらなる徹底をお願いしたい」と要請した。

 また、3回目のワクチン接種を加速させるため、県営接種会場で1日から、接種券が届いた64歳以下の予約の受け付けを開始した。市町も含めた接種会場で米モデルナ製ワクチンの予約が低調で、福田知事は「感染拡大と重症化を防ぐため、交互接種を含め早期の追加接種を検討してほしい」と呼び掛けた。

 1月4日から実施している無症状者を対象とした無料検査は、30日までに8800件実施し、陽性者は79人だった。コロナ対策本部や保健所の業務が逼迫(ひっぱく)しているため、県は保健福祉部以外の部局の職員約200人を同本部や保健所に配置した。

定例記者会見で冬季国体の総括を述べる福田知事=1日午後、県庁

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