価格が高騰する都内の新築マンション…Z世代が購入する、その背景とは

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。「フラトピ!」のコーナーでは、価格が高騰している“首都圏の新築マンション”事情について、キャスターの田中陽南が取材しました。

◆最新の新築マンションを内見好きの田中が訪問

バブル期を越え、2021年は6,260万円と過去最高を記録した首都圏の新築分譲マンション平均価格。ステイホームの長期化による価値観の変化や低金利が拍車をかけ、その需要は右肩上がり。そこで今回は、最新の新築マンション事情を田中がレポート。

まず訪れたのは、JR武蔵小金井駅近くにあるモデルルーム。そこで内見できるのは、2月中旬に完成予定の小金井市内にある新築マンション。新築とあって最新のトレンドが随所に散りばめられています。

そのひとつが、無駄な柱・はりを極力抑え、開口部が広く感じられる設計。通常の部屋には天井や壁などにでっぱりが見られますが、この物件はそうした無駄なスペースを減らし、広い空間を創出。

そして、リビングダイニングには若い世代に嬉しい工夫も。それは子どもが増えたり、家族の構成が変わったりしたタイミングで部屋を仕切って使うことができること。リフォームせずに間取り変更可能な点は高く評価されているようで、田中も「家族の成長も考えられているんですね」と感心しきり。

さらには、寝室、子ども部屋、そしてリビング兼洋室など全ての部屋にウォークインクローゼットが付いていることも大きな魅力。

キッチンやトイレ、お風呂も充実していて申し分なしのこの物件。肝心の価格は、最寄駅から徒歩10分、76.64平米の3LDK南向きで5,700万円から。田中は「この環境でこの値段、これは住みたくなる」と納得。

続いては、江東区有明にある駅から徒歩3分の新築タワーマンションへ。33階建ての27階にある角部屋に入ると、田中は「うわぁ、すごい!」と声を上げます。というのも、このマンションの上層階の展望は絶景と呼ぶにふさわしい眺望で、東京タワーやレインボーブリッジも見渡せます。

さらに、このマンションの足元、同じ街区にはスーパーマーケットからレストラン、物販店まで約200店舗が軒を連ねる大型商業施設があり、とても便利。そんなこちらの価格は82.88平米の3LDK角部屋、16階の部屋で1億1,300万円。

◆新築マンションを購入するZ世代の増加、その背景とは?

こちらのマンションでは販売開始当初は20代の購入者が5%程度だったところ、ここにきて約1.5倍に。また、契約時世帯主年齢比を見ても2017年は12.1%でしたが、2020年には16.3%に上昇しています。

その背景には2つの理由があり、ひとつは「共働き」。最近は比較的世帯年収にゆとりのある"パワーカップル”の存在があり、そうした方々が購入しているとともに、多くは住宅ローンを組むため、その金利が歴史的に低い水準で推移していることも大きな後押しに。

新築マンションの購入者はZ 世代が増えているという状況に、キャスターの堀潤は「(Z世代は)あまり所有欲がないと言われているなか、住宅を所有するというのは一番の大きいな買い物」とビックリ。すると、株式会社POTETO Media代表取締役の古井康介さんは「(不動産は)投資できる。いつか貸せるということで購入している友達もいる」とZ世代の考えを代弁します。

一方、microverse株式会社 CEOの渋谷啓太さんは「賃貸でタワマンに住みたいとは思うが、買いたくはない」と意思表示。その理由は「いろいろなところに住みたいから」。さらには、NFT事業を手掛け、デジタルに精通する渋谷さんだけに「デジタル(メタバース)上にも住みたい」とも。「家は一度建ててしまったら変えられないが、デジタル上であれば自分の好きなように空間をアレンジできる」とその魅力を語ります。

ちなみに、すでにメタバース空間においても土地の売買は始まっていて、最近は有名企業もその土地を購入しているとか。

今回取材した田中によると、賃貸で家賃を払い続けるのはもったいない、どうせ払うなら資産として持っておこうと考え、現実的に将来を考えるZ世代が増えているそうです。

資産運用でいえば最近ではアプリの普及、若年層向けの金融商品の増加など若い世代がコミットしやすい時代になっていますが、古井さんも「預貯金だけでない資産形成が今後重要になる」と推察。

一方、渋谷さんは「つみたてNISAなどは、リテラシーが低い僕らがターゲットにされている気がする」と不安を口にし、「いろいろな説があると思うが、僕はビットコインとイーサリアムを買い続ける」と断言。なぜかといえば「世界の情勢を見たときに、国内の株を買い続けることで資産が増えるかというと希望がない。日本の上場企業は30年前に比べて世界の時価総額ランキングの圏外になってしまった。そんな国の株を買うかといえば僕は買わない」と渋谷さん。

その反面、ビットコインやイーサリアムなど「決済手段になりうるものはニーズが上がる」と持論を述べ、総じて世の中の人々の間に「資産運用のリテラシー格差がすごくある」と案じていました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter:@morning_flag

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