「苦戦」どこ吹く風 相模原・橋本商店街にリピーターが多い訳

橋本商店街協同組合が開発したアプリ画面を表示する古橋理事長(左)と上田事務局長

 消費スタイルの多様化や後継者難により多くの商店街が苦戦する中、先駆的な取り組みで注目される商店街がある。相模原市緑区の橋本商店街ではいち早くアプリを導入するなど独自の試みにより、加盟店が右肩上がりに増加している。同商店街協同組合は「時代や環境に合った取り組みをこれからも進めていく」と話す。

 橋本駅北口を中心に広がる同商店街の加盟店は計160店。毎年平均10店舗ずつ増加しており、10年前に比べて7割増えた。閉店する店舗がある一方、新規出店もあり、その多くが加盟するという。

 店主たちを引きつける要因の一つに、先駆的な取り組みがある。同組合は2018年、商店街アプリ「橋本アプリ」を神奈川県内で初めて開発。イベントや加盟店クーポンの情報を週3回発信するなど積極的に消費者にアプローチし、商店街のリピーターを増やしていった。

 商店街の歩行者通行量は18年の1日5520人から20年は6129人へと増加。新型コロナウイルス禍でもアプリを使った特典付きのスタンプラリーを行うなど非接触のサービスを展開したことが好評だったという。こうした取り組みが評価され、中小企業庁の21年の「はばたく商店街30選」に選ばれた。

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