トヨタ、ロバンペラとエバンスが優勝争う。最終日を前に4台がトップ5入り/WRCスウェーデン

 2月26日、WRC世界ラリー選手権第2戦『ラリー・スウェーデン』のデイ2がスウェーデン北部のウメオを中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRTはカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組が総合首位に立った。また、チームメイトのエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組も総合2番手に順位アップ。エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム組は総合4番手につけている。

 シーズン唯一のフルスノーラリーであるラリー・スウェーデンの競技2日目は当初、SS8からSS15までの8SSが実施される予定だったが、イベントの開幕前にSS9とその再走ステージであるSS13が中止されたためSSの数は計6本、合計距離82.30kmで争われることになった。

 この日の早朝は気温がマイナス7度まで下がり、戦いの舞台となる氷雪路は全体的に固く締まった状態となった。トヨタ勢はこのコンディションで速さをみせ、オープニングのSS8でエバンスが一番時計を記録。続くSS10ではロバンペラがベストタイムを叩き出した。

 デイ2最初のステージでライバルを逆転し総合トップに立ったロバンペラは、その後も好調なペースでラリーを進め、午後のSS14と日没後に行われたSS15で連続トップタイムをマーク。総合2番手に順位を上げたエバンスに8.3秒差をつけ、首位でデイ2を走りきっている。

 デイ1終了時点でトップと7.4秒差の総合3番手につけていたエバンスは、ベストタイムをマークしたSS8の次のステージで、前日の首位ティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20 Nラリー1)を交わし総合2番手に浮上する。

 SS8の再走ステージであるSS12でもベストタイムを記録した彼は、ロバンペラとの差を1.2秒にまで縮めたが、その後のステージではチームメイトの後塵を拝することになり、総合2番手のまま競技2日目を終えた。なお、総合3番手につけるヌービルとのギャップは13.4秒となっている。

 古巣復帰戦で表彰台争いを繰り広げているラッピは、SS8で2番手タイムを刻み、SS11では総合3位に順位を上げてみせる。だが、SS14でポジションを下げてしまい総合4番手でデイ2のフィニッシュを迎えることとなった。とはいえ、ライバルとの差は4.2秒と表彰台獲得を充分に狙える位置につけている。

■ロバンペラとエバンスには「今回も最後までフェアに戦ってもらいたいと思っている」とラトバラ代表

カッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2022年WRC第2戦スウェーデン

 トヨタGRヤリス・ラリー1をドライブし、新チームのTOYOTA GAZOO Racing WRTネクストジェネレーションから今季のWRCにフル参戦している勝田貴元は、前日の総合6番手から5番手に順位を上げた。

「我々のドライバーたちも加わった接戦を、とてもエンジョイした」と語るのは、TOYOTA GAZOO Racing WRTのチーム代表を務めるヤリ-マティ・ラトバラ。

「このようなポジションにいるときは本当に強いということを、カッレ(・ロバンペラ)は今回も示した。最後から二番目のステージ(SS10)のタイムは驚くべきもので、今回のようなハイスピードなラリーでは、そう簡単には築くことができないようなタイム差だった」

「彼はもちろん有利な位置にいるが、エルフィン(・エバンス)もそれほど大きくは離されていない。今回も、彼らには最後までフェアに戦ってもらいたいと思っている」

「また、エサペッカ(・ラッピ)もいい位置につけているので、明日は3位争いをしてくれることを期待している。最後に、今日は(勝田)貴元にとってもポジティブな1日だったので、本当にいい1日になった思う」

 前戦モンテカルロでデビューしたトヨタGRヤリス・ラリー1による初優勝の期待がかかる競技最終日、27日(日)のデイ3は、サービスパークが置かれているウメオの北西エリアで、日中のサービスを挟むことなく2本のステージを各2回走行する。SS16~19まで計4本のSSの合計距離は56.84km、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は353.48kmだ。この内、最終ステージのSS19はステージトップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーにボーナスポイントが与えられる“パワーステージ”となっている。

勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2022年WRC第2戦スウェーデン
エルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2022年WRC第2戦スウェーデン
トヨタGRヤリス・ラリー1 2022年WRC第2戦スウェーデン

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