長崎県内新型コロナ 2月に33人死亡、月別最多 高齢者施設、医療機関でクラスター多発

新型コロナ感染 県内月別死者数

 新型コロナウイルスに感染し、長崎県内で亡くなった人の数が2月は過去最多の計33人に上った。県などの発表によると、多くは70~90代の高齢者だった。専門家は「高齢者や基礎疾患がある人は早めに3回目のワクチン接種を受けてほしい」と呼び掛けている。
 オミクロン株は感染力が強い一方、デルタ株などに比べ軽症で済むとの見方もあった。しかし、感染者が爆発的に増え、高齢者施設や医療機関でもクラスターが多発。高齢者は基礎疾患がある人も多いため、重症化し、亡くなるケースが増えているとみられる。
 県内では2020年3月に1人目が感染し、4月に初の死亡例が確認された。県などが感染を公表した日を基準に集計したところ、流行第3波の21年1月に計23人が死亡。第4波の5月には24人が亡くなった。
 一方、昨夏の第5波では感染者は過去最多を更新したが、死者数は1桁で推移。専門家は「65歳以上へのワクチン接種が進んだことが要因」と分析する。
 今年、急拡大した第6波では2月に入って死者数が急増。22日には累計で100人を超え、2月末時点で108人が亡くなった。
 新型コロナワクチンは2回目終了から半年余りで感染を防ぐ作用が強いとされる抗体価が大きく減少。一方、3回目接種でオミクロン株に対する発症予防効果が8割程度まで上昇するという研究結果がある。

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