【ウクライナ侵攻】燃料価格高騰「先のことは分からない」 財務相答弁に立民が激しく反発「容易に予測できる」

 「4月から先はどうなるか分からない」。2日の参院予算委員会で、ロシアのウクライナ侵攻などを背景とした燃料価格高騰対策についての鈴木俊一財務相の答弁に、野党議員が「無責任だ」と激怒する場面があった。

 対策への財源(新年度予算案ベース)について政府は一般予備費5千億円の範囲で対応する方針。衆院での審議では立憲民主党の後藤祐一氏(神奈川16区)が不足の懸念を指摘した上で「コロナ対策予備費5兆円の充当を考えておくべきだ」と進言した。岸田文雄首相や財務相は「充当は考えない」とくみしていない。

 同党の田名部匡代氏は「高騰の影響は漁船の稼働など農業漁業にも及んでいる」と現状を説明した上で「すそ野の広さをにらめば一般予備費のみでの対応は厳しい。5兆円の充当も確認するのは当然だ」と促した。

 財務相は「充当は考えていない。まずは今行っている激変緩和策の効果を見極めたい」との後藤氏へ行った答弁を繰り返し、「先はどうなるか分からない」と付言。岸田首相も「(一般予備費の)5千億円は少なくない」などと同調した。

 田名部氏は「ウクライナの問題を受け止めているのか。高騰が続くのは容易に予測できるではないか」と、怒りあらわ。「一般予備費はさまざまな不測の事態への備え。燃料対策で使い切ったらいざという時に充当する財源がない。そんな無責任は許されない」と反論した。

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