本紙「8.9」平和広告に銅賞 アジア最大級フェス「スパイクスアジア」

「スパイクスアジア」で銅賞を獲得した2021年8月9日付の長崎新聞見開き紙面

 世界に存在する1万3千発を超える核兵器の数と同数の直径2ミリほどのドット「.」を見開き紙面に示した2021年8月9日付の長崎新聞広告紙面。それがアジア太平洋地域最大級の広告フェスティバル「スパイクスアジア」のPrint&Publishing(印刷&出版)部門で銅賞を獲得した。

 「アジアのカンヌ」とも呼ばれ、各国から優秀な広告作品がエントリーされる同フェス。2日、ホームページで各部門の受賞作品が発表された。

題字付近の拡大図

 受賞作は長崎新聞社と電通、電通九州長崎支社が企画制作。見開き紙面の1ページを、1945年に広島と長崎に投下された原爆を表した赤いドット2点と、世界の核保有国が持つ1万3865発の核兵器を黒色のドットで埋め尽くした。もう1ページには広島と長崎の爆心地の写真を添え、「核兵器のない世界が実現するその日まで、私たちの挑戦は終わりません」と訴えた。

 責任者の福岡一磨長崎新聞社地域ソリューション部次長(47)は「アジアの人が核兵器や平和について考えるきっかけになればうれしい」。企画立案に関わった長崎市のクリエーティブディレクター鳥巣智行さん(38)は「ロシアのウクライナ侵攻で人類が核兵器のリスクに直面している。地上のすべての人が核問題の当事者だというメッセージになった」と話した。
 本紙では、被爆75年の20年8月9日付で、平和公園の石だたみを原寸大で再現し、本紙全体を包んだラッピング広告が「アジア太平洋広告祭(アドフェスト2021)」で銅賞、日本新聞協会「第41回新聞広告賞」の新聞社企画・マーケティング部門新聞広告賞も受賞。2年連続で8月9日の平和企画広告が国内外の注目を集めた。


© 株式会社長崎新聞社