選手会が対案提示も交渉に進展なし さらなる公式戦中止が濃厚に

日本時間3月7日、メジャーリーグ機構とメジャーリーグ選手会は労使交渉を再開し、ニューヨークで約1時間40分の話し合いを行った。選手会が対案を提示したとみられるが、機構側は「いくつかの問題では後退すらしている。簡単に言えば、我々は行き詰まっている」と選手会が提示した対案に不満を示し、交渉は全く進展しなかった。「USAトゥデイ」のボブ・ナイチンゲール記者によると、早ければ日本時間3月8日にもレギュラーシーズンのさらなる開幕延期(試合のキャンセル)が発表される可能性があるようだ。

選手会は今回提示した対案のなかで、ピッチクロック導入、守備シフト制限、ベースのサイズ拡大という3つの新ルールについて、来季以降、最初の提案から45日以内にルール変更を実施する権限を機構側に与えることに同意し、譲歩を見せた。ただし、ロボット審判(ストライク・ボール判定の自動化)の導入については拒否している。

また、新設される調停前ボーナスプールの金額については、今季8500万ドルからスタートすることを希望していたが、その希望額を8000万ドルに引き下げ。しかし、機構側は3000万ドルを希望しており、依然として双方の希望額には大きな開きがある。

さらに、ぜいたく税のペナルティについて、選手会は罰金以外のペナルティを撤廃することを希望していたが、今回の対案ではクオリファイング・オファー制度を廃止するのと引き換えに、罰金によるペナルティを受け入れる意向を示したという。

このように、選手会は複数の項目について歩み寄りを見せており、今回の交渉について「後退」や「行き詰まり」と表現した機構側の状況説明に対して異議を唱えた。確かに、ぜいたく税の上限ラインやメジャー最低保証年俸、ポストシーズンの新フォーマット、国際ドラフト、ドラフト上位指名権の抽選制度などについて新たな提案はなかったようだが、これらはあくまでも「現状維持」であり、「後退」という機構側の表現は適切ではないかもしれない。

ナイチンゲール記者は「両者は、機構側が4月中旬までレギュラーシーズン開幕を延期し、さらに2シリーズを中止することを発表する前に、再び話し合いを行う見込みだ。早ければ月曜日(日本時間3月8日)に話し合いが行われるだろう」と伝えている。次回の交渉でも進展がなければ、レギュラーシーズン開幕がさらに1週間延期となる可能性が高そうだ。

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