楕円球とともに50年 長崎ラグビースクール 13日に記念式典

2014年のヒーローズカップ全国小学ラグビー大会で日本一になった長崎RSのメンバー=神戸市、神戸総合運動公園ユニバー記念競技場

 長崎県ラグビー界の発展に尽力してきた長崎ラグビースクール(長崎RS、本多守校長)の創立50周年記念式典が13日、長崎市総合運動公園かきどまり陸上競技場で行われる。本来は前年度が50周年だったが、コロナ禍の影響で1年延期しての実施となる。
 長崎RSは「子どもたちの健全育成」を掲げて1971年に創設。毎週末を中心に、伝統の「赤黄ジャージー」を着た生徒たちが楕円(だえん)球を追い掛けてきた。自分の頭よりも大きなボールを持って走る幼児、基本プレーと仲間の大切さを学ぶ小学生、激しいコンタクトや高度なサインプレーを試す中学生-。指導陣は「みんなでボールを前に運ぶんだ」という精神を大切にしながら、年代に応じて子どもたちの心身の成長を促してきた。
 数々の実績も重ねてきた。小学生は2014年のヒーローズカップ全国大会で県勢として初優勝したのをはじめ、県内のスクールのリーダー的存在になった。中学生も17年の全国大会で準優勝するなど、九州、全国の舞台で結果を出してきた。
 最も大きな功績は卒業生の次のステージでの活躍。ワールドカップに出場した平浩二さん(長崎南山高-同大-サントリー)をはじめ、多くの選手が高校時代は秋の国体や冬の全国高校大会(花園)でメンバー入り。大学進学後も関東、関西などのトップレベルでプレーしている。

2010年の南山ラグビー祭りで練習に励む小学生=長崎市、長崎南山学園三川総合グラウンド

 現在の生徒数は幼児から中学生まで約130人。スクール創設時から指導に携わり、今も子どもたちから“くま先生”の愛称で親しまれている92歳の熊副博人さんら、無償のコーチ陣は約50人。式典当日は小学生のタッチフットボール、中学生の紅白試合などを予定している。
 久保賢副校長は「コロナ禍のため、式典には制限があり、祝賀会もできないが、次の60周年、100周年に向けて、子どもたちが元気にラグビーをできるように機運を高めていきたい」と先を見据えている。


© 株式会社長崎新聞社