1軍で活躍、恩返しを 母校や故郷の応援に感謝 西武ライオンズ・滝澤夏央選手 プロの練習に充実の表情

 プロ野球、埼玉西武ライオンズに入団した上越市寺町(和田地区)出身の滝澤夏央選手(18)が5日、関根学園高の卒業式に出席し、終了後、学校近くの「友之寮」で報道陣の取材に答えた。1月6日の入寮以来、新人合同自主トレ、春季キャンプと約2カ月間、プロの世界を体験してきた。母校への思いや、プロの練習で感じたこと、憧れの名手のプレー、同期や寮生活の印象、今季の決意などを語った。

卒業式後、報道陣の取材を受ける滝澤選手(5日)

 ―卒業式に出席していかがでしたか。

 (西武で)野球漬けだったので、久しぶりに高校に戻ってきて、いろいろな思いがあります。自分は関根学園に憧れて入学してきたので、そこで夢をかなえることができ、関根学園には感謝の気持ちでいっぱい。プロ野球選手になれたのも関根学園のおかげであり、またいい報告ができるようにしたい。いろいろな方から頑張れと言われ、より一層、頑張ろうと思いました。

 ―高校3年間は新型コロナウイルスの影響が大きかったと思いますが、振り返って。

 厳しい状況でしたが、その中でも先生方が、自分たちがやりやすいようにやってくれて、楽しく学校生活を送れましたし、部活動でも監督さん、部長さんたちが、思う存分野球ができるように環境づくりをしてくださったので、感謝の思いでいっぱいです。

 ―プロの練習の印象と手応え、課題は。

 入った時は楽しみよりも不安の方が大きかったです。内容が濃くて、楽しく充実した練習ができています。すごい選手がたくさんいるので、学ぶことが多いです。守備は一定の評価をしてもらっていますが、バッティングの方で力強さとかをこれから磨いていきたいです。

 ―憧れのユニホームを着ている感想をあらためて聞かせてください。

 最初は夢のようでした。ちゃんと着られているかを鏡でチェックしました。今は慣れました。僕に下はない、上を目指すだけなので、けがせず、本当に必死になってやりたいです。

 ―3月1日に、1軍メンバーが多いA班の練習に参加しましたが、印象は。

 2軍でもすごいと思っていたのに、1軍は個々のレベルが違います。その経験を生かして頑張らないといけない。まだまだですが、ここの舞台で自分も活躍するんだという気持ちになりました。スピードある守備はしっかりとアピールできたと思います。

 ―会ってみて、印象に残った選手は。

 源田(壮亮)さん(29)ですね。キャンプの途中で源田さんと栗山(巧)さん(38)、中村(剛也)さん(38)が帰ってきて、所沢で一緒に練習しました。シートノックに一緒に入った時に、本当にすごくて、圧倒されました。源田さんのイメージは堅実さ、正確さだと思いますが、生で見ると、スピードが速くて、その中でも滑らかさや堅実さがあって、本当にすごい。全てに無駄がありませんでした。

 ―源田さんとは何か話しましたか。

 圧倒され過ぎて、しゃべられなくて。源田さんから「なつお、なつお」と呼んでもらったのですが、守備のことをあまり聞けませんでした。いっぱいいっぱいなところがあって、そんな余裕はありませんでした。

 ―新人同期の10人はどんな関係ですか。日本文理高出身の川村啓真外野手(22、國學院大4年)の印象は。

 僕たちはみんな仲がいいです。川村さんは本当に面白く、優しい方です。かわいがってもらっています。朝起こしたり、いろいろなことを頼まれたりしますが、その分返してくれます。川村さんはラーメンが好きで、新潟のラーメンの話とかをしました。

 ―寮での生活は。

 ライオンズの選手は優しくて、思った以上に接しやすいです。食事はおいしく頂いていますが、A班の練習や練習試合が入ってから緊張で食べられなくて。先輩に食トレをしている方がたくさんいて、一つ上の仲三河(優太)さん(19)からは餅を食べろと言われています。

 ―リラックス方法は。

 モチベーションを上げるために、部屋の模様替えをしたり、トレーニングで着る服をネットショッピングしたり、音楽を聴いたりしています。先輩方や同期といるのが楽しくて、リラックスできています。

 ―休みは何をしていますか。

 外出が駄目で、コンビニや散髪はOKですが、部屋で寝たり、先輩の部屋でゲームをしたりしています。最初は慣れなかったですが、帰りたいという思いにはなりませんでした。寮の中で困ること、不便なことは何もないです。

 ―9月に南魚沼市でイースタン・リーグが予定されています。

 川村さんともそんな話をしていて、新潟で試合に出られるようにという気持ちはあります。自分が活躍している姿を見せるのは恩返しでもあるので、それまでにそこにいけるように頑張りたいと思います。

 ―あらためてプロでの決意は。

 2軍の方で基礎体力づくりをしっかりとやって、1年目から支配下(登録)を取るつもりで必死に頑張っていきたい。地元に帰ってきて、いろいろな方に頑張れと言ってもらい、もっと頑張ろうと思います。大好きな野球を仕事にできるのは幸せなことで、これからは野球に専念してしっかりと頑張りたい。

 ―新潟で応援している人に向けてメッセージを。

 焦らずという気持ちもありますが、育成の立場なので、危機感もあります。いずれは1軍で活躍することが目標というか、活躍しなければいけない。それが新潟の方への恩返しになると思っています。

学校近くの「友之寮」で、自身の西武グッズの前でポーズを取る滝澤選手(5日)

関根学園高野球部他の3年生の進路(硬式野球を続ける選手)

 ・牧野水樹投手 神奈川工科大(神奈川大学野球1部)

 ・大竹直樹捕手 帝京大(首都大学野球1部)

 ・尾身颯太一塁手 国際武道大(千葉大学野球1部)

 ・竹之内陵内野手、増井琉壱外野手 福井工業大(北陸大学野球1部)

 ・染川剛生外野手 大阪産業大(阪神大学野球1部)

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