サトウ食品株式会社(新潟市東区)が2022年4月期第3四半期決算(連結)、利益面は第3四半期連結累計期間としては過去最高の実績に

サトウ食品本社(新潟市東区)

サトウ食品株式会社(新潟市東区)は9日、2022年4月期第3四半期連結決算を発表した。売上高は307億8,900万円(前年同期は381億7,100万円)、営業利益は28億1,100万円(前年同期比23.5%増)、経常利益は30億420万円(同23.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は20億8,700万円(同25.1%増)。利益面は第3四半期連結累計期間としては過去最高の実績となった。

食品業界においては、生活スタイルの変化や消費者の購買行動の変化を背景として、家庭内で消費される食品に対する底堅い需要に支えられている反面、海外物流の停滞といった現象に象徴される先行き不透明な景況感が続いているという。

サトウ食品では、同社を取り巻く経営環境について「原材料価格の高騰」「新型ウイルス感染禍の継続」「それに伴う従業員の労働環境における安全の確保」「お客様への万全の供給体制の整備を最優先としたオペレーション」といった複合的な要因によって各種コストが上昇基調にあることもあり、引き続き厳しい局面が続くと予想している。

このような状況で同社グループでは、「引き続き安全・安心に重点をおいた包装米飯及び包装餅製品の安定供給、並びに適正価格での販売に努めることを基本に事業活動を推進してきた」という。

なお、同社グループは主力製品である包装餅が季節商品(特に鏡餅)であり、その販売が年末に集中するため、当第3四半期連結会計期間の売上高および利益がほかの四半期連結会計期間に比べ著しく増加する傾向がある。

また、2021年12月8日に公表した「2022年4月期第2四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」において、新型ウイルス感染症拡大による影響が不透明であり、販売動向の見通しを立てることが困難であったため未定としていた2022年4月期の業績予想および配当予想についても発表。

売上高は380億円、営業利益は23億円、経常利益は26億円、親会社株主に帰属する当期純利益は17億円、1株あたり当期純利益は337.04円とした。

なお今後、新型ウイルスの感染拡大状況などが変化し、業績に与える影響が大幅に変動すると見込まれる場合には、連結業績予想の修正を適切に公表していくという。

2022年4月期第3四半期連結決算の製品分類別の販売動向は以下の通り。

包装米飯製品

包装米飯製品は、社会構造、生活様式の変化で「簡便性・安心・安全・品質」が受け入れられた事により、市場全体が拡大傾向にあることに加え、新型ウイルス感染禍においてご家庭内での食事の機会が増えたことによる食品の備蓄需要が高まっている。

これらの消費動向の変化を背景に、包装米飯製品の「家庭のご飯に代わる」常備食化への対応を目的とした新商品「サトウのごはん 売れ筋トップ3銘柄(新潟県産コシヒカリ・秋田県産あきたこまち・銀シャリ)8食パック」を、2021年9月1日より全国にて販売を開始した。

また、通年需要の喚起を目的に、2021年5月から同社独自の釜炊き製法をアピールするテレビCM『サトウのごはん「ふっくら釜炊き編」』を全国放映し、さらに、「サトウのごはん8食パック」の発売に合わせた新テレビCM『サトウのごはん「多幸(炊こう)感」』(2021年8月より全国放映)の制作を実施するなど、販売促進活動に努めた。

これらの取り組みとともに、同社の包装米飯の特徴が、消費者における利便性および安全・安心のニーズの高まりと、長引く新型ウイルス感染禍の新しい生活スタイルを背景とした内食需要の高まりにマッチし、引き続き高い支持を得られたことで売上高は堅調に推移した。

その結果、包装米飯製品の売上高は161億7,600万円となった。

包装餅製品

同社では、包装餅製品においても通年需要の喚起に積極的に取り組んでいるという。「新型ウイルス感染禍において、家庭内での食事の機会が増えたことにともなう、日常の食事を通じた健康維持に対する意識の高まりから、健康意識の高い利用者の半数が栄養・機能性を重視している」という調査結果をもとに、「元気な毎日の習慣 乳酸菌で健康管理をサポート!お餅でエネルギーを効率よく摂取」をキャッチフレーズに開発した新商品「サトウの切り餅/まる餅 乳酸菌プラス」を、2021年9月1日より全国にて販売を開始。

また女優の芦田愛菜さんが、同社グループのみが個包装に使用している、酸素を吸収する「ながモチフィルム」の特徴(鮮度保持剤なしでつきたての美味しさを24ヶ月保持)を紹介するテレビCMや、切り餅「いっぽん」のスティック形状を活かした様々な食べ方を消費者に提案するテレビCMを継続的に放映すること
で、同社包装餅商品のブランド認知の深化に努めた。さらに、餅商品の喫食機会向上と新たな消費者層の獲得を目的として、人気YouTuberとタイアップした動画制作も行った。

年末商材である鏡餅については、マーケットの傾向として引き続きダウンサイジング化が進んでいることから、「どこでも簡単に飾れる手頃なサイズの鏡餅!」をコンセプトとした商品開発に取り組んだ。

こうした商品コンセプトをベースに、新たに幅広い層から支持を得ているアニメ「鬼滅の刃」のキャラクターをデザインに取り入れた「サトウの福餅入り鏡餅小飾り 鬼滅の刃オリジナルデザイン全5種」を開発し、2021年11月1日より全国にて販売を開始。同商品は顧客から高く評価を得て、これまでの同社小飾りシリーズとしての出荷実績の中で最高を記録した。

また、流通における取り組みとして、鏡餅を店舗で陳列する際の開封作業の軽減を目的として開発した、段ボールを開封するとそのまま商品の陳列ができる「らくらくパッケージ(SRP対応段ボール)」の名称を「簡単!楽ちん段ボール」とし、店頭での作業者の方も直感で分かりやすいものに変更する事で、取扱店の更なる拡大に努めた。

包装餅の販売は、年末の需要期に新型ウイルス対策の制限解除・自粛緩和がなされた影響もあり、前年と比較して、若干の減少となったものの、鏡餅の販売好調を受けて、包装餅製品全体の売上高は前年並みで推移した。

その結果、包装餅製品の売上高は145億9,800万円となった。

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