我部政男氏に東恩納寛惇賞 沖縄研究史料の基盤整える

 沖縄研究の先駆者、東恩納寛惇の功績をたたえ、沖縄を対象とした研究の発展に顕著な功績を挙げた研究者に贈る第39回東恩納寛惇賞(琉球新報社主催、第一書房後援)に、日本近代史研究者の我部政男氏(83)=本部町=が決まった。専門は日本史学(近代日本政治史)。沖縄史料の基盤づくりと沖縄近現代史の研究などが評価された。

 我部氏は本部町生まれ。琉球大卒業後、東京教育大大学院博士課程修了。琉球大教授、山梨学院大教授などを経て現在は山梨学院大名誉教授、名桜大学客員研究員。早稲田大大学院や東京女子大大学院、慶応大、立教大、法政大などでも教壇に立った。琉球処分(琉球併合)や沖縄戦など沖縄近現代史に関する著作も多い。

 選考会は2月18日、琉球新報社を拠点にオンライン形式で開かれた。選考委員は赤嶺政信琉球大名誉教授、豊見山和行琉球大教授、田里修沖縄大名誉教授、赤嶺守名桜大大学院教授、上原靜沖縄国際大名誉教授が務めた。

 贈呈式は29日午後6時から那覇市泉崎の琉球新報ホールで開催する。新型コロナウイルス感染防止のため、来場は招待者に限定する。(古堅一樹)

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