ワンオペ除雪に慎重 安全性確保で課題 上越市

 上越市は、市道除雪する除雪車の1人運行(ワンオペ)の導入について「現状では難しい」と慎重な見方を示した。7日の市議会農政建設常任委員会で、近藤彰治委員(政新クラブ)の質問に対し、吉田仁史都市整備部長が答えた。

 ワンオペ除雪については、除雪車オペレーターの高齢化や担い手不足対策の観点から、札幌市がすでに導入し、県もワンオペ除雪の委託経費積算基準を示している。しかし車両や人が通行する道路を除雪するには、安全性の確保で課題が残っている。吉田部長は「担い手確保はどうやっても難しいが、県ではワンオペ契約をしたが安全確認に課題があり、2人運行に戻したケースもある」と述べた。

 市は本年度から、除雪車オペレーターに路上の構造物の位置を警告し、損壊防止につなげるシステムを1台導入、実証実験を行っている。来年度はさらに台数を増やし、将来的なワンオペに向けた効果検証や安全性の向上を目指す。ワンオペの導入について、雪対策室の桐木茂室長は「16トン、18トン級の除雪ドーザーは後方が見えない。技術的に可能なところから採用していきたいが、除雪業者と意見交換しながら進めたい」とした。

マンホールのふたなど、路上の構造物をオペレーターに警告するシステムを積んだ除雪車の走行実験(昨年8月)

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