ピカソ由来「キッズゲルニカ」 平和願い大磯・北浜海岸に

平和の大切さを伝える横浜キッズゲルニカのメンバー=大磯町・北浜海岸

 子どもたちが平和の願いを込めて描いた絵画「横浜キッズゲルニカ」が11日、神奈川県大磯町・北浜海岸の津波避難タワー近くで披露された。東日本大震災から11年。そしてロシア軍のウクライナ侵攻で国際情勢が不安定な今、平和の尊さを訴えた。

 キッズゲルニカは1995年に始まり、世界各国の子どもたちが参加している。画家パブロ・ピカソがスペイン内戦でのゲルニカ爆撃に抗議して制作した「ゲルニカ」と同じ大きさ(縦3.5メートル、横7.8メートル)のキャンバスに平和の大切さなどを絵画で伝える国際的なアートプロジェクトで、今回の展示もその一環。

 企画したのは、客船や港を通じた地域活性化に取り組むNPO法人「港の風IN THE OFF-ING」(横浜市港南区)。同法人は2017年から参加し、関東学院中学・高校の生徒や米国からホームステイに来ていた高校生らの制作を皮切りに、原爆被災地の長崎市や国内外で展示を続けてきた。

 絵画は葉をくわえるカモメを平和の象徴とし、横浜港大さん橋国際客船ターミナルで楽しげに会食する人たちなどが描かれている。

 同法人の沖眞由美理事長は「楽しい気持ちや安心感など、平和の心は身近なところから伝わっていく。武器でなく調和。助け合う心が海を越えてつながっていってほしい」と話している。

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