第36回「ショスタコーヴィチ 交響曲第7番ハ長調作品60《レニングラード 改め キーウ》②」

その昔、スーパーファミコン時代、ハドソンから発売されていたアースライトというシミュレーションゲームソフトがあった。 宇宙空間での戦闘シーンで、ちょっと激しめで作られたショスタコの7番が流れ、この単純なオールドソフトに夢中になっていた自分をかなり萌えさせてくれたものだった。 だいたいゲームというのは単純なものに限るのだ。進化すればするほどグラフィックだけが強調され、肝心のゲーム性が失われていく。

だからプレステ1、2などがいまだにいつでも使えるようにセットされているのだ。プレステ3はないが、4と今度はまたあらたにメガドラ、サターンなど揃えていきたいものだ。 昔は8音しか出せなかったファミコン時代。ディレクター連中も苦労して音楽を作っていたものだったが、サンプリングが登場して以来、いまやDTM時代となり、ひと昔前のボカロと生身の人間とのせめぎあいは、これからのAIとの共存を暗示しているようだ。 アニメ、バーチャルアイドル、2次元攻勢に、生楽器、肉声で立ち向かう時代はすでに終わったのであろうか。

正倉院の宝物のように、発掘され、それを懐かしむ時代が来るのも遠いことではないのかもしれない。

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