相模原で人気の手作りジェラート店 バス会社社長が語る開店の理由

ミヤコ農園直売所の隣にオープンした「ジェラテリア チッタ」=相模原市緑区

 1月に相模原市緑区にオープンしたジェラート店「ジェラテリア チッタ」。新鮮な果物を使い、毎朝手作りした商品が人気だ。経営するのは同市中央区の観光・送迎バス運行会社社長の鈴木誠さん(49)。新型コロナウイルス禍で本業が苦戦する中、新分野で活路を見いだそうと開店した。鈴木さんは、バス会社と同様「地域に愛される店に成長させたい」と気持ちを新たにする。

◆グループ会社に農園

 1月下旬、同店のショーケースにはイチゴやピスタチオなど、色鮮やかな6種類の商品が並んでいた。いずれも当日の朝に作られた商品で、鈴木さんは「舌触りが柔らかく、優しい味がするのが特徴です」とPRする。

 バス業界は、コロナ禍で観光需要が低迷。収束が見通せず、鈴木さんが経営する「ミヤコバス」も業績が大幅に下がった。先行きが不透明な中、新たな収入源として注目したのが、グループ会社のミヤコ農園(緑区)の農作物だった。

 同農園は市内外の畑(計1万5700平方メートル)でイチゴやスイカなどの青果物を生産。形がふぞろいや規格外などで商品にならないものも少なくないといい、それらをうまく活用したいと考えた。「新鮮な果物を活用でき、廃棄を減らすことで環境にも優しい」と鈴木さん。兄弟と、同農園の野菜直売所隣にジェラート店の開業を決めた。

◆「果物丸ごと」評判の味

 ジェラートは農園で早朝に収穫された旬の果物や野菜を使い、これまで約50種類のメニューを開発。店を訪れた買い物客からは「果物を丸ごと食べているようだ」と評判という。

 今後は、国内で生産されていない珍しい果物を使った農作物を生産し、商品化にも乗り出す予定だ。近く、電子商取引(EC)サイトでも販売を開始する。鈴木さんは「模索が続くが、新しい取り組みにチャレンジしていきたい」と話している。

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