サッカーJ2 V長崎 待望の初白星 大分に4―1

【V長崎-大分】後半10分、V長崎のクリスティアーノ(中央)がチーム3点目を決め、サポーターの前で喜ぶ=諫早市、トランスコスモススタジアム長崎

 明治安田J2第4節第1日(12日・トランスコスモススタジアム長崎ほか=5試合)V・ファーレン長崎は大分に4-1で大勝し、今季初勝利を挙げた。通算1勝1分け2敗(勝ち点4)で21位タイから暫定12位に浮上した。
 V長崎は前半8分、GK笠原のパスミスから右サイド深くでスローインを与えて失点。しかし、2分後の10分、奥井の右クロスをエジガルジュニオが胸で落とし、クリスティアーノが左足ボレーで合わせて同点に追いついた。ロスタイムにはハンドでPKを獲得。エジガルジュニオが冷静にGKの逆を突いて逆転した。後半10分にカウンターからクリスティアーノがこの日2点目。22分には奥井のミドルシュートが決まった。
 仙台は岩手に3-0で快勝した。琉球は山口に3-2で逆転勝ちして今季初白星。徳島は熊本と2-2、甲府は山形と1-1で引き分けた。
 第4節最終日は13日、各地で6試合を実施。第5節は19~21日、各地で計11試合が行われ、V長崎は21日午後1時から熊本市のえがお健康スタジアムで熊本と対戦する。

◎クリスティアーノが2発

 開始わずか8分でミスから先制点を献上するも、新加入のブラジル人アタッカーが間髪入れずに重い空気を一変させた。
 失点2分後の10分、ゴールに背を向けながら浮き球を処理したエジガルジュニオが「打ってください」と言わんばかりに胸トラップでアシスト。落下地点で待ち構えていたクリスティアーノは「あうんの呼吸」で左足ボレーを繰り出し、このシュートが決まって早々と同点に追い付いた。
 注目助っ人の見せ場はまだ終わらない。逆転に成功して迎えた後半10分には、敵陣深くに都倉が抜け出したのを確認し、自陣から猛然とダッシュ。トップスピードのままラストパスを要求し、試合の大勢を決める3点目をたたき込んだ。ゴール後はサポーターの前で背番号「7」のユニホームを誇示するパフォーマンスを披露。新型コロナウイルスのまん延防止等重点措置が解除され、今季最多の5937人が来場したトラスタが歓喜に沸いた。
 かつて欧州リーグでも活躍した35歳は、日本に初挑戦した2013年に、当時栃木の指揮官だった松田監督の下でプレーしている。その後、Jリーグで101ゴールを積み上げ、松田氏直々のオファーを受けて今季長崎へ。これまで4試合すべてに先発し、攻撃の軸を担っている。
 いきなりの2ゴールに「アリガトウゴザイマス」と日本語で喜んだのもつかの間、初勝利の立役者は「チームの目的はJ1昇格だが、個人的にはずっと優勝だと言っている」ときっぱり。「今年最後に喜びたい」とここからの巻き返しを誓っていた。


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