【ウクライナ侵攻】平塚工科高ラグビー部 監督からの重い問い掛け、部員は迷うことなく募金協力即決

ウクライナ支援で募金活動を行う平塚工科高校ラグビー部員=12日、JR平塚駅北口

 ロシア軍の侵攻を受けるウクライナの避難民を支援しようと、神奈川県立平塚工科高校(同市黒部丘)ラグビー部員が12日、JR平塚駅北口で募金活動を行った。集まった寄付金33万3千円はユニセフの「ウクライナ緊急募金」を通じ、戦禍で避難している子どもたちへの物資供給などに生かされる。

 「750万人のウクライナの子どもたちが差し迫った脅威にさらされている。募金の協力をお願いします」。ユニホームを身にまとい、募金箱を手に街頭に立つ同高ラグビー部員に、通行人が次々と足を止めて寄付する光景が広がった。

 ロシアの軍事侵攻が始まった2月下旬、部活のミーティングで同部の松山吾朗監督(45)は「世界で苦しんでいる人たちがいる。君たちと同じ年頃の人が機関銃を持って戦っている。何か思うことはあるか」とメンバーに問い掛けた。

 同部はこれまで、「世界ワンチームプロジェクト」と名付けた慈善活動を続けてきた。2018年7月に起きた西日本豪雨や、19年10月の台風19号の災害時も被災地への募金活動を実施。今回も2年の主将(17)が「困っている人たちがいれば、自分たちができることを行動に移す」と言うように、チームは迷うことなく即決したという。

 手を差し伸べる、支え合いの精神が同部の伝統だ。2年の部長(17)は「活動を見てウクライナ情勢に少しでも気を向けてもらい、助け合っていけばいいなと思う」と言葉に力を込めた。

© 株式会社神奈川新聞社